果たしてアメ横女学園はいつまで震災復興支援を続けるのか。そう訝る視聴者もいたことだろう。
9月5日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第134回では、2011年3月11日に発生した東日本大震災から、被災地が復興していく様子が描かれた。
地震により運休した北三陸鉄道は、5日後の3月16日に北三陸~袖が浜間で運行を再開。1日3便のみ、時速わずか20キロながら線路を走っていく電車は復興のシンボルとなり、地元の人たちが汽車に手を振る場面では「銀河鉄道999」がBGMに。希望に満ちた演出に思わず涙する視聴者も少なくなかったようだ。
ヒロインのアキ(能年玲奈)と古巣のアイドルグループ・GMT5が一緒に行う予定だったコンサートは延期に。GMT5やアメ横女学園が所属するオフィスハートフルでは被災地で「太巻カフェ」と題した炊き出しを行い、メンバーたちがベーグルを配布していた。
「当時は数多くの芸能人やアイドルが被災地で炊き出しなどの復興支援を行っていましたが、心ない人たちからは『偽善だ』『売名行為』といった批判が続出。杉良太郎のように『もちろん売名だよ』との啖呵を切りながら支援活動を続ける芸能人もいましたが、なかには心が折れてしまうケースも少なくなかったのです」(芸能ライター)
オフィスハートフルを率いる“太巻”こと荒巻太一(古田新太)も、それらの批判に心を痛めていた。行く先々で貴乃花とバッティングして「全然目立たない」とコボす姿に、部下の河島(マギー)からは「目立たないとかいうから売名って言われるんじゃないですか」とたしなめられていたが、それは太巻流の照れ隠しだろう。
この「あまちゃん」が放送された2013年にはもう、多くの芸能人が復興支援から手を引いていた。それでは売名行為呼ばわりされるのも無理はないだろう。その一方で「アメ横女学院」のモデルとなったアイドルグループは、その後も何年にもわたって復興支援活動を続けていたのである。
「AKB48の『誰かのためにプロジェクト』は毎年、3月11日を中心に東北地方での無料ライブを開催。他の災害に関しても募金などの復興支援活動を行っていました。その活動は70回以上に及び、被災地訪問は2019年まで継続。2021年には新型コロナ禍のなか、オンライン生配信も行っています。2018年にはAKBグループとして復興大臣から感謝状を贈られるなど、その活動は広く評価されています」(前出・芸能ライター)
果たしてオフィスハートフルは何年にもわたって太巻カフェなどの活動を続けていくのか。視聴者もそんな想像に思いを巡らせているのではないだろうか。