木村拓哉が伝説の人斬りとして主役を務める映画「無限の住人」(2017年4月29日公開)の共演者が11月8日に発表され、その豪華さが話題となっている。木村の敵となる悪役には福士蒼汰、木村と共闘する残虐非道な剣士に市原隼人、そして最強の女剣士役として戸田恵梨香らが出演。極めつけは木村を窮地に追い込む刺客を演ずる市川海老蔵だ。
もはや無駄に多いとさえ言える顔ぶれは、名前を見ただけでお腹いっぱいな感じだが、このラインナップこそがキムタクのパワーダウンを象徴しているのだという。映画ライターが木村の過去作を例に説明する。
「キムタクの時代劇と言えば、2006年公開の『武士の一分』を覚えている人も多いはず。同作品にも笹野高史や岡本信人、そして緒方拳といった実力派が数多く出演していましたが、キムタクより一回り以上も年上の俳優ばかりで、引き立て役なのは明らかでした。歌舞伎界から出演していた坂東三津五郎も、上司役ですから立場は一緒。つまりこの時は、あくまでキムタクで客を呼ぶという狙いが明らかだったのです」
そんな「武士の一分」に対して、今回の「無限の住人」ではそれぞれが映画の主役経験を持っており、木村の存在感も埋没しかねない勢いだ。しかし、それこそ制作側の狙いではないかと、前出の映画ライターが指摘する。
「10年前とは異なり、今やキムタクも43歳のオジサン。しかし映画を支えるのは高校生~30代の若い層が中心ですから、キムタクありきの配役は危険です。しかし彼が主演を務める以上、興行面での失敗は許されません。それゆえ福士のようなイケメンや戸田のような美人女優、そして海老蔵のように話題性で客を呼べる共演者をそろえたのでしょう」
今回の配役は一昔前なら、木村との並びを考えた場合、NGだった可能性も高い。だがSMAPの解散騒ぎもあいまって求心力が落ちた今、共演者の好き嫌いを言ってられる場合ではなくなったのかもしれない。
(金田麻有)