作家・乙武洋匡氏が自身のXを更新し、お笑いコンビ・クワバタオハラのくわばたりえによる「物議を醸した発言」について言及したのは、12月4日。この日、くわばたは生活情報番組「あさイチ」(NHK)に生出演した際に、同じくゲスト出演した若手俳優の井上祐貴が“自分の家では「おせち」を食べる習慣がない”との旨を明かしたことに驚き、思わず「日本人じゃないの?」とリアクションした。
正月料理のおせちを巡るこの発言は、すぐにSNSで反響を呼び「色々な家庭があるのにそんな言い方しなくても」「悪意はないだろうけど、良くない」「たしかに日本人じゃないの?は言われたらイラっとする」との反応や、「いわゆるツッコミの一環で言った程度」「こんな発言でも怒られる時代なのか…」など、くわばたを擁護する声もあった。
そうした中、「あさイチ」放送後にXから見解を述べたのが乙武氏である。「#あさイチでおせちを食べる習慣がないと発言した男性タレントに、女性タレントが『日本人じゃないの?』と発言」と、まずはコトの経緯を書き出し、「個々にも様々な背景・事情があるので、『日本人なら◯◯のはず』という発言は控えたほうがいいけれど、発言主を叩く方向ではなく、『これから自分は気をつけよう』と思えるといいよね」と、冷静に綴った。
「くわばたからすると、正月のおせちの文化が日本人にとって大切な行事の一つであることを強調するため、“日本人ならおせちでしょ!”との意味合いで表現したんでしょうね。SNSにも、彼女に理解を示す声も多かったわけですが、乙武氏が番組名まで記載したうえでその一幕を紹介したことで、むしろ拡散されてしまったと見る向きもあり、『わざわざテレビを見てない層にもわかるようにハッシュタグを付けて優しく薪をくべるスタイル嫌いじゃないですよ』『影響力ある人がわざわざ拡散しなくても』『バッシングを危惧するなら、番組名はつけない方がよかったのでは』などの指摘もありました」(テレビ誌ライター)
いずれにせよ、くわばたの発言が誤解を招きやすい表現であることが、くわばたが有名人であるがゆえに、世間に広く周知されたという意味はあるだろう。くわばた自身は、自分の発言で世間に議論が起きたことにどんな思いでいるのだろうか。
(木村慎吾)