【ブギウギ】趣里への批判は「有名人の娘」だからなのか…はじめのセリフに「脚本のせい」の声!

 このセリフは何らかの皮肉なのか、それともセルフオマージュなのか。ともかく視聴者には不評だったようだ。

 3月15日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第116回では、ヒロインのスズ子(趣里)が警察に頼み、誘拐未遂犯の息子である一(はじめ=井上一輝)を自宅に連れてきてもらうことに。一が転校してしまったことを悲しんでいる娘の愛子(このか)と引き合わせたのだった。

 愛子は母親が国民的なスター歌手であるがゆえに、周りからはからかわれてばかり。肝心の母親は娘の繊細な心模様には気が付かないようで、口酸っぱく「学校に行き!」と言うばかりだ。

 やっと友達になれそうだった一も、父親が愛子の誘拐未遂を企てたことにより、遠くの親戚のもとへと転校。事件の全容を知らない愛子にしてみれば、スズ子が一を自分から遠ざけた形になるが、事件解決後もスズ子は「マミーは悪くない」の一点張りだ。

「スズ子のセリフに子育て経験を持つ視聴者は激怒。怒りの矛先は本来、制作陣に向かうべきですが、スズ子を演じる趣里に向けられてしまうのも無理のないところです。本作ではスズ子の大げさすぎる大阪弁や、エキセントリックな振る舞いへの批判が続出。それもすべて趣里にそんな演技をさせている制作陣の責任ではあるものの、ヒロインを演じる趣里ばかりが批判されてしまうのもまた現実でしょう」(テレビ誌ライター)

 その趣里は言わずと知れた有名人の娘。父親は水谷豊、母親は元キャンディーズの伊藤蘭で、世間では親の七光りならぬ「十四光」と揶揄される有様だ。

 この「ブギウギ」でヒロインに選ばれたときも、有名人の娘だから選ばれたのだろうとの批判が巻き起こったもの。実際には映画やドラマで演技力を評価されていることに加え、長年のバレエ経験が「ブギの女王」のダイナミックなステージを再現するのにうってつけだったのだが、そういった事情はスルーされがちだ。

 しかも今回、こともあろうに制作側が、そんな批判を作中に取り入れていたというのである。

「スズ子宅から帰るとき、一はスズ子に『おばさんさぁ、有名人の子ってのもなかなか辛いもんらしいぜ』と話しかけました。さらに『からかわれるしさ、おばさんが忙しいから寂しいみたい』と続けると、スズ子は『そやね、気を付けるわ』と返事していたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 このセリフは愛子のことを想った言葉であると同時に、趣里に対する意味も含んでいたことだろう。おそらく制作陣は、趣里に対するいわれのない批判への反論を、このセリフに込めたつもりだったのかもしれない。

 しかし趣里への批判は彼女自身の出自ではなく、彼女自身の演技に原因があるのは明らか。そしてその演技を呼び込んでいるのが何を隠そう、制作側の演出にあるはずだ。そんな状況を無視したセリフに、視聴者も呆れかえっていたのではないだろうか。

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