俳優・草彅剛が打ち明けた、芸能界の恩師・タモリに告げられた“すごく嬉しかった”言葉が「実に深くてイイ話」だとして反響が続いているようだ。
初めてタモリと出会ったのは、草彅がまだ20歳の頃だったが、ただ、相手は大御所タレントながら「すごい年も離れていて、全然雲の上の存在だから、逆に緊張しないでいられた」と振り返り、現在でも交流があると草彅が語ったのは、さる「人生最高レストラン」(TBS系)にゲスト出演したさる5月11日放送回だ。約30歳も上のタモリとは自宅に泊まりに行くほどの関係性で、恩師であると同時に“親友”のような存在でもあるという草彅。番組MCの極楽とんぼ・加藤浩次がぶつけたのが、タモリに言われて「糧になったなぁっていう言葉はある?」との質問だった。
草彅は、「『お前は向上心がないからいいんだ』って言ってくれることがあった」と明かした。これをすぐに理解することができず、「それが何でいいんですか?」と尋ねたところ、タモリから「お前は邪念がないからいいんだ」と説明され、草彅は「それがすごく嬉しくて」と感動。タモリは「あんまり、ああしよう、こうしようって思うと狙いが生まれて、そこに到達するために意図が見えると全く面白くないんだ」と話していたといい、たとえ芸能界であっても“よけいな向上心は必要ない”との考えだったという。
草彅は「普通の人だったら、向上心を持って研究して狙いに行くじゃないですか。“お前はそれがないから素晴らしいんだ”って言われたことが芸能活動をやる上で1番大事」とタモリの言葉が原動力になっていると話し、「自分は素の状態、フラットの状態でいることを意識しているのかもしれないです。よけいな情報を入れなかったりとか」と“狙う”ことはしないと語っていた。
「タモリは2014年まで続いた長寿番組『笑っていいとも!』(フジテレビ系)を32年間も司会としてやり抜くことができた理由に『頑張らないこと』『反省しないこと』などの要素を挙げてきました。『反省なんかしません。反省なんかしたら毎日やっていけませんよ』とのことで、ある程度、肩の力を抜いて番組をさばいていくことが自身のやり方とマッチしていたと述べ、そうした姿勢は、同じ“ビッグ3”の明石家さんまとは一線を画し、独自のポジションを確立しました。そんなタモリが“同じニオイ”を感じた相手こそ、SMAPの中ではあまり前に出ることをしない草彅だったのかもしれません。長く芸能界でトップに君臨したベテランの金言とあって、ネットには『素敵で深く面白い言葉ですね』と感心する反応がありましたね」(テレビ誌ライター)
草彅にとって刺さる言葉となったのは、もしかしたら、木村拓哉や中居正広など個性の強いメンバーとグループを形成して活動していたことも、背景にあったのかもしれない。
(木村慎吾)