初回特番の視聴率が、世帯7.8%、個人4.2％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）でスタートした「科捜研の女」（テレビ朝日系）。沢口靖子が主演を務める同ドラマは、今回で「season24」でシリーズ開始から25周年を迎える長寿ドラマだが、前シリーズ「season23」の初回平均視聴率が世帯9.6％だったことを考えると、さすがに勢いが落ちているのか。ただ、テレ朝社内では高い評価を維持しているという。
「最近では2ケタ視聴率を超えることが少ない『科捜研の女』ですが、それもあってか、出演者のギャラも抑えられており、沢口も撮影現場（東映京都撮影所）では、スタッフも含めみんな仲良しで非常に雰囲気がいいそうです。視聴率が多少悪くても固定ファンがおりCMも入りやすい。安定して稼げるドラマとして上層部からも評判がいいんです」（スポーツ紙記者）
テレ朝で長期シリーズのドラマといえば、「科捜研」以外に「相棒」と「ドクターX～外科医・大門未知子～」がある。「科捜研」は、視聴率では「相棒」、「ドクターX」には及ばないままなのだが、実は、社内では年々存在感を増しているドラマなのだという。その裏側を、他局の編成担当者が声を潜めてこう明かす。
「『ドクターX』は、主演の米倉涼子の体調不良もあり、12月6日公開の『劇場版ドクターX』で見納めになるはず。テレ朝としては、米倉にシリーズ継続のお願いをしていたようですが、交渉がまとまらなかったと聞いています。また『相棒』は、主演の水谷豊の年齢がネックに。1952年生まれで7月14日に72歳を迎える水谷には、数年前から、アクションシーンも多い『相棒』からの卒業が囁かれているんです。テレビを見る人が減る一方のご時世、『相棒』といえどもジワジワと視聴率が低下し始め、水谷は人気があるうちに辞めたい考えがあるようで、卒業が最近かなり現実味を帯びています。となると、残るは『科捜研の女』ということになり、局内での“格”が上がり続けているんです」
ライバルのドラマに次々と終了の噂が出る中で、主演の沢口も含め元気な「科捜研」は、30周年に向けて関係者一同やる気満々なようで、少なくともあと5年以上はシリーズが続く見通しだという。
「『科捜研の女』はその名の通りに、法医・物理・化学などの専門技術を武器に事件の真相解明を目指すストーリー。実際に科学捜査の技術は年々進歩し、ITなども駆使するようになっている。そこに合わせてこの先もストーリーは作れますし、沢口にヤル気がある限り続けられます。『相棒』『ドクターX』の“寿命”が近づいているだけに、『科捜研』を局の看板ドラマにする必要があり、特別のはからいも噂されています。沢口にはここに来て、功労賞的な意味でギャラのアップも提示しているという噂で、30周年と言わずさらに長くシリーズが続く可能性もあります」（民放関係者）
現行の連続ドラマで最多シリーズ記録を更新し続けている「科捜研の女」。今後もそのパワーは衰えそうにない。
（渡邊伸明）
