2002年から2006年までサッカー日本代表監督を務めたジーコ氏が、イングランド・プレミアリーグのブライトンで活躍するMF三笘薫の“スゴさ”について言及している。
18年からはJリーグの古巣・鹿島アントラーズでアドバイザーを任されているブラジルのカリスマで、“サッカーの神様”のジーコ氏。7月24日には鹿島とブライトンの国際親善試合を控えていることもあり、7月9日にスポーツ報知のインタビューに応じると、22年よりブライトンで突出したパフォーマンスを見せる三笘について語る場面があった。
まずジーコ氏は「賢い選手だなという印象が強い」と述べ、「決定力が高いからこそゴールを決められるし、自分でゲームメイクもできて、味方にゴールを入れてもらう状況を作れる選手でもある。だからこそ、プレミアリーグであれだけの活躍ができるのだろう。少なくとも、近年の日本人選手では最高傑作だと言える」と、ドリブル技術だけでなく、ゴールに直結するプレーの多さを評価している。
また、「彼のドリブルにはしっかりとした目的、狙いがあり、一貫性がある。ただのドリブルでは終わらない。彼のドリブルは何らかのフィニッシュで終わる。味方へのパスだったり、シュートだったり、プレイを完結させることができる。そこが他の選手とは違うところ」と、ドリブルに成功したあとの状況判断も三笘の強みだと語る。
「ジーコ氏が指摘する通り、ひとくちに『ドリブラー』と表現しても、単に目の前のDFを抜き去ることだけを目的にしているタイプのドリブラーもいれば、三笘のように、目的はあくまで点を取ることで、それを叶えるための手段としてドリブル技術を駆使できるタイプもいます。ジーコ氏の母国であるブラジルには前者のドリブラーも多いですが、結果至上主義のヨーロッパでは後者が強く求められるために状況に応じてシュートとパスを使い分けられる三笘の利他的なスタイルはどのクラブからも重宝されるでしょう。現在は同じプレミアリーグのアーセナルやマンチェスター・ユナイテッドからの関心も取り沙汰されており、ジーコ氏は、三笘へのマークが厳しくなる来季以降が『本物の実力者なのか、立ち止まってしまうのか』を見極める重要なシーズンになるとも話していました」(スポーツライター)
なお、もしもジーコ氏が日本代表監督だった時代に三笘が存在していた場合には「特別枠で使っていたでしょう。当然です(笑)。そして、彼はきっと活躍していたでしょう」と語る同氏。
様々な名手を目の当たりにしてきたジーコ氏をもってしても、やはり27歳の日本人ドリブラーは際立って映っているようだ。
(木村慎吾)