アメリカのニューオーリンズ名物のお菓子といえば「ベニエ」。粉糖をまぶした四角い揚げドーナツみたいなもので、ドーナツよりカリッとフワッとエアリーな食感のスイーツです。
日本でこのベニエを販売していたのが『カフェドゥモンド』。ニューオーリンズのベニエの老舗で、ダスキンとの提携で進出し、池袋や川崎の溝の口などにお店があったのですが、2018年に撤退してしまいました。
それからずーっとベニエを食べられなくて悲しかったのですが、『コストコ』に行ったらなんと「ベニエ」が新商品として売っている! なんか見た目丸いけれど! 四角くないけれど! でも、何年かぶりにベニエとの再会。もちろん、購入して味わうことにしました。
コストコの「ココアヘーゼルナッツベニエ」税込み1,398円は、直径5cmサイズの丸いベニエが25個入り。ラベルには「原材料名:揚げ菓子(フランス製造)」となっていて、小麦粉、粉糖、植物油脂、バター、卵などが書かれています。そこで気付いた。「えっ、ベニエって、ニューオーリンズのお菓子じゃないの?」
改めて検索したところ、ベニエはフランス発祥のお菓子で、フランス語で「揚げた生地」という意味。勝手にニューオーリンズ生まれのお菓子だと思い込んでいたけれど、本来はフランスとのこと。
そもそも、ニューオーリンズはフランスの植民地として開拓された場所なので、フランス文化が残っている街でもあります。なので、フランスのお菓子があってもおかしくない。そして、フランスのベニエなら、四角くなくても中にココアヘーゼルナッツが入っていても、「それはフランス風」と思うと納得です。
実際に食べてみると、とっても美味しい。1~2口サイズで、中からココアヘーゼルナッツがトロッと出てきてモチモチしています。1個では止まれなくて、つい2~3個連続で食べちゃう。そして、多少硬くなってもレンチンで10~20秒温めればフワフワに。
ベニエって商品名ですが、普通にチョコ入り一口ドーナツ。当然ですが、カフェドゥモンドで食べたベニエとは全くの別物です。ただ、「美味しいんだけれど、食べたかったのはニューオーリンズ風のベニエなんだよね~」という気持ちにもなって…。
きっとコストコの売り場で見たらまた買っちゃうんだろうけれど、改めて「カフェドゥモンド、もう1回日本でお店作ってくれないかなぁ。ニューオーリンズ遠いなぁ……」という、「なんか素直に美味しいって喜べなくてごめんね」という気持ちになってしまいました。
(ロドリゴいしざわ)