レアル・ソシエダは日本時間9月29日、ラ・リーガ第8節でバレンシアと対戦し、日本代表MF久保建英の先制ゴールを含め、3-0と快勝した。この一戦で注目を集めているのは久保が達成した2つの偉大な記録である。
本拠地レアレ・アレーナでの一戦に右サイドで先発出場した久保は開始8分、左サイドのセルヒオ・ゴメスが入れたグラウンダーのクロスをフリーで受け、冷静にダイレクトで合わせてネットを揺らした。
キックオフ早々に幸先良く先制弾が生まれたソシエダは、後半にも20歳のアイスランド代表FWオーリ・オスカールソンが2ゴールを奪い、バレンシアを圧倒。試合後にはスペイン紙「As」が久保のラ・リーガ通算167試合出場を取り上げ、「乾貴士を超えて、ラ・リーガで最も多くの試合に出場した日本人選手になった」と報じた。
スペインのエイバルやベティスなどで活躍した元日本代表の乾を超え、23歳にして継続的な試合出場を達成できていることは素晴らしいデータだが、より衝撃をもたらしたのは長きにわたって“勝利の女神”であり続けているという事実である。
久保が幼少期を過ごしたカタルーニャのスポーツ紙「MUNDO DEPORTIVO」は、2022年のソシエダ加入以来、彼が得点を決めた17試合で16勝1分という不敗記録が続いていることを紹介し、「勝ち点を獲得するための幸運のお守り」だと称賛した。
「得点した試合で17もの無敗が継続されているのも十分に驚異的ですが、フットボール統計機関『transfer markt』によれば、その記録は実に30試合にも達していたことが判明。遡ること6年前の2018年、久保がヴィッセル神戸を相手にJ1初ゴールを奪って以来、久保が得点を決めた全30試合では負けておらず、“久保がゴールを決めれば、チームは無敗”という驚きのデータが伝えられています。これはひとえにゲームをコントロールする久保のコンディションが、チーム全体に与える影響力の大きさを物語っているといえるでしょう」(スポーツライター)
久保は、ベンチスタートとなったラ・リーガ第2節のエスパニョール戦でも、チームが0-0と苦しむ中で後半21分に途中出場し、およそ10分後に見事なゴールを奪取。ソシエダもそのまま1-0での勝利を収めていた。
まさに“困った時の久保”状態で、データもそれを証明していると言えるだろう。
(木村慎吾)