26年北中米W杯アジア最終予選におけるサッカー日本代表の快進撃が止まらない。7-0と圧勝した第1節の中国代表戦を皮切りに、バーレーンには5-0、そして、過去3戦3敗の“未勝の地”サウジアラビアでは2-0の完封勝ちで力の差を見せつけた。
3節時点で勝ち点9に伸ばした日本代表は、グループCを首位独走し、勝ち点4の2位で並ぶオーストラリア、サウジアラビア、バーレーンを大きく突き放すと、得失点差でも14と他を圧倒している。
“アジア最強”の名をほしいままにする絶好調のサムライブルーにあって、特に際立っているのは、一貫して超攻撃的スカッドを敷き、強気な采配を続ける森保一監督の戦術だ。今予選における最難関の一戦となったサウジアラビア戦でも、先発フォーメーションはお馴染みの「3-4-2-1」で、本来ならウインガーの堂安律と三笘薫を左右のウイングバックに配置した。
これにより両サイドの広大なスペースを生かした厚みのある攻撃が実現し、中央を陣取る南野拓実と鎌田大地にもスペースが生まれる好循環がもたらされている。スポーツ専門放送局「ESPN」は、この森保監督のシステムを「極めて冒険的な戦術」だと表現し、驚きと称賛を交えて日本の連勝を伝えた。
また、そうした大胆なタクトを振るう森保監督が、世界的名将たちを次々に撃破する姿にも賛辞が集まっている。
「森保監督の最初の“餌食”となったのは、22年カタールW杯のグループステージで、日本にまさかの敗北を喫したドイツのハンジ・フリック監督とスペインのルイス・エンリケ監督。両者はともに欧州最高峰の舞台であるチャンピオンズリーグを優勝させた経験を持つ名将であり、メガクラブのバイエルン・ミュンヘンやバルセロナを指揮するなど、監督としての実績は折り紙付き。また、フリック監督率いるドイツ代表は、昨年9月にもドイツ国内のヴォルフスブルクで再戦しており、そこでも日本代表が4-1と快勝しています。そして、今回打ち負かしたサウジの指揮官ロベルト・マンチーニ氏も、『欧州選手権(EURO)2020』で、母国イタリア代表を率いて53年ぶりの優勝を達成した名将です。そんなマンチーニ監督も日本戦後の会見では、森保ジャパンを『グループ首位の大本命』とし、『我々(サウジ代表)はオーストラリアと2位争いをすることになる』と弱気に語ったことが、現地メディアとファンから“大失言”だと猛批判を浴びています」(スポーツライター)
ワールドクラスの名将を“諦めムード”にさせるほど、現在の森保監督の采配と戦績はかつてないほどに充実したものになっているということだろう。
(木村慎吾)