今季のラ・リーガで15位と低迷するスペインのレアル・ソシエダだが、日本代表MF久保建英がハードマークの餌食となっていることもその要因の一つかもしれない。
国内リーグ第9節を終えた時点で、ソシエダは2勝3分4敗と負け越しており、降格圏ギリギリをさまようスロースタートとなった。多くの代表プレーヤーが揃う充実のスカッドを誇る同チームには似つかわしくない、15位という順位に失望の反応も集まる中、エースの久保が徹底的に敵DFのターゲットとなっている現状も無関係ではないだろう。
スポーツ統計システム「Opta」によれば、現時点でのラ・リーガにおいて、アタッキングサード(相手ゴール前エリア)で最多のファウルを受けているのが久保の10回で、この数字はレアル・マドリードのエースでブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールの9回を上回るものとなっている。
「今季の久保は得意とする右ウインガーとしての起用が増えており、よりゴール前で敵DFと対峙する決定的な局面が増えています。また、チームが勝利した2試合ではいずれもゴールを決めるなど、久保の活躍がクラブの戦績に直結。そのため、対戦相手が久保をハードマークの対象とするのも納得の戦術と言えます。“幸い”にも被ファウル数で久保に次ぐ2位となったヴィニシウスは、今年の年間最優秀選手賞『バロンドール』の最有力候補とされ、当代の世界最高プレーヤーに位置付けられる逸材。今季のプレー時間は729分となっており、久保はヴィニシウスよりも少ない632分の出場時間ながら被ファウル数は最多で、いかにラ・リーガで“厄介な選手”になっているかを証明するデータともいえます」(スポーツライター)
今後は、右サイドバックのオーバーラップによる久保へのプレス軽減などを試行錯誤し、高いドリブル技術や創造性をより発揮できるようなチーム戦術で攻撃を活性化させてほしいところだ。
(木村慎吾)