人は、仮面をかぶる（顔マネをする）と、本当に「その人格が乗り移る」のです。あなたは、いつ、どこで、どんな仮面をかぶればスーパー“怪人二十面相”になれるのか？
■人間だけが、“マネ”という超能力をもつ？
「えっ？マネが超能力だって？しかも人間だけが持つ？そんなことないよ、サルだってマネするよ」とおっしゃる方も多いでしょう。
確かにヒト以外にもマネのできる動物はいますが、そのマネの種類や程度は、実に単純なものです。それに対してヒトは、ことばや知識、行動や技術、芸術、イメージなど、複雑多岐にわたる物事を周囲のお手本からマナび（マネび）、自分の能力にすることができます。しかもヒトはこれを瞬間で行います。「マネによって、お手本をコピーすれば、あっという間に進化完了」です。ヒトはマネによって、能力を瞬時にアップデートします。だから、「マネというのはヒトだけが持つ、ものすごい超能力」だといえるのです。
中でも超すごいのは、前回、ペルソナマジックとしてご紹介した“顔マネ”テクニックです。人は、仮面をかぶる（“顔マネ”する）と、本当に「その人格が乗り移る」のです。“あなたの顔”はいつも、あなたをコントロールしているのです。…さてそこで、
■あなたは「誰ですか？」
「えっ？私は私ですけど？」確かにそうなんですが、「あなたの人生における役割は何ですか？」ということなんですが…。つまり、たとえば私は「男」「父」「おじいちゃん」「アナウンサー」「教師」 等々、それぞれの顔を持っています。“番組の顔”を入れると、結構たくさんの“役顔”があります。
このように人にはそれぞれ立場に応じて、いろいろな“役顔”があるものです。年齢をたどっていけば、「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」、社会人になってからは、“仕事顔”として、「先生」「銀行員」「美容師」 等々の“顔”を持っています。
私の子供の頃の探偵小説に「怪人二十面相」がありました。“二十の顔”をもった怪盗と明智小五郎という探偵が対決する物語です。「顔が二十もあるって、スゴイ!!」と思いながら、わくわくして読んでいたものですが、今思うと、怪人二十面相は、それなりに大変だったのでは？なぜって、自分の顔を20種類の顔にいちいち“変装して”、悪事を働くわけですから、メイクにすごい時間がかかるし、特殊メイクの技術も必要だし、声も使い分けなくてはならない。これって結構大変ですよね。
その点私たちの“顔マネ”は、実に簡単。「お母さん」「美容師さん」「主婦」など、いくつもの顔をその時々の場面によって、1日に何回も、必要に応じて瞬時に切り替えられるのですから超簡単。しかも、そのたくさんの “役顔”は瞬時に実現します。何と、“晴顔で顔マネ”するだけで、理想的なあなたの出来上がりです。あとは、マネし細胞“マネッシーくん”（鏡のように何でもマネする神経細胞＝ミラーニューロン）がうまくやってくれる。
■顔って“スゲエ”
顔が何よりも“すげえ!!”のは、「顔が、良くも悪くもあなたのパーソナリティーを作る」ということです。「中でも“晴顔”はいつも、よりよいあなたを作り続けている」のです。
たとえば、「みんなから好かれ、頼りにされる明るい高校生の顔」や「あなたの理想の“仕事顔”」などを、試しに今から直ちにしてみてください。ほら、その瞬間に「理想のあなたが出来上がった」ではありませんか。
次回は1月7日（火）。年明けにふさわしく、“顔”が運命を変える 「“晴顔”開運原理」の使い方をお教えします。あなたの来年は「大開運まちがいなし」です。
●プロフィール
なかむら・かつひろ１９５１年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にＮＨＫ入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、１９９６年から「ワイド！スクランブル」（テレビ朝日系）ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」（角川書店）、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」（海拓舎）、「逆境をチャンスにする発想と技術」（プレジデント社）、「言葉力による逆発想のススメ」（大学研究双書）などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」
