Q:保育園のママ友のほとんどが仕事をしているので、専業主婦の私の家がいつの間にか遊び場のようになってしまいました。子どもたちの遊ぶ声、笑い声が嫌でたまらなくなり、夜もよく寝つけません。イラつくようになり、2歳8カ月の娘がジュースをこぼした際、思い切り背中をつねってお仕置きしてしまいました。
A:本来ならばかわいいと思える子どもの声が嫌でたまらなく、夜も眠れないという現在の状況は、ストレスが溜まってギリギリのようです。この状態がすでに2,3週間続いているようなら、カウンセリングの必要性を検討したほうがいいでしょう。
娘さんは、わざとジュースをこぼしたのではありません。でも、背中をつねられて心が傷ついたと思います。
子どもは、「失敗したらお仕置きされる」と思い、必要以上に不安や緊張を強いられています。緊張してかえって失敗が増え、また怒られる、という繰り返しに、親子ともに疲れ切っている姿が浮かんできます。お母さん以上に、苦しい思いをしているのは子どもかもしれません。
相談者は、やさしくて、人の頼みを断れないお母さんなのでしょう。ママ友のお願いを断れず、ずるずると数人の子どもたちの面倒をみるはめになってしまい、今さら断れないのでは…。その我慢の鎖を断ち切るためにも、この状況をリセットすることが第一です。
まずは、身近な身内に保育園のお迎えを頼める人を探し、数日の間、代わってもらいましょう。もちろん保育園には、「体調が悪いので、代わりに○○が迎えに行きます」と説明しておきます。
お迎えもできないほど体調が悪いと知れば、ママ友も託児はしないでしょう。言い方は悪いですが、ママ友に上手にウソをつくことが、自分と子どもを守ることにつながるのです。
もし、スーパーなどで身体の具合を聞かれても、「体調がちょっとね…」と言うぐらいにとどめておきましょう。具体的なことを話す必要はありません。
騒がしい環境から離れたら、子どもと2人きりの時間を、心静かに過ごしましょう。自分の時間を作って、気分転換もしてください。2,3週間経ってもイライラが解消されない場合は、経験者や友人、行政の電話相談サービスを利用したり、カウンセラーを探すことをお勧めします。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)