NHK大河ドラマを見て「キャー楽しい」とハートマークが付く声で浮かれてしまったのは、3月30日放送の第13話の1週前、3月23日放送の「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」が初めてのように思う。特に吉原で開催された「俄祭り」で、本宮泰風演じる若木屋与八チームと伊藤淳史演じる大文字屋市兵衛チームとのダンスバトルのような「雀踊り」のシーンは見応えがあった。小競り合いをするように扇子を使った踊りから始まり、次第に殴り合いのケンカが始まるのではないかとハラハラしていたら、しまいにはそれぞれのチームが仲よく1つになって踊る様子は、自分もその現場で「雀踊り」を見ているような錯覚に陥ったほどだ。
さらに久保田紗友演じる松の井が、小田新之助(井之脇海)への思いがあふれ出る小野花梨演じるうつせみに、「祭りに神隠しは付き物でござんす。お幸せに」と言って自分が被っていた笠を渡し、背中を軽く押して2度目の「足抜け」を促したのだから、ここで胸を打たれなかった人などいただろうか。第9話「玉菊燈籠恋の地獄」で最初の「足抜け」に挑んで失敗した新之助とうつせみ。足抜けも2度目なら少しは上手に追っ手から逃れられているだろうか。
おそらくうつせみがいなくなったことは、すぐに松葉屋の主人らに知られるだろう。新之助が平賀源内(安田顕)と行動をともにしている浪人であることもすでに知られているはずだ。
大河ドラマの出演者が「あさイチ」「土スタ」(ともにNHK)に呼ばれるのは「もうじき退場のフラグ」と世間では言われているが、井之脇と小野は3月8日放送の「土スタ」に出演している。ということは、2人に幸せな未来があろうが最悪の結果を招こうが、「退場」ということではないだろうか…と心配になったが、結局、3月30日放送の第13話「お江戸揺るがす座頭金」では、新之助とうつせみ(小野花梨)がいまだに見つからず、「神隠し」として処理されようとしていることがわかった。視聴者から「安心した」の声を集めたが、4月6日放送の第14話「蔦重瀬川夫婦道中」で新たな展開はあるだろうか。
(津島修子)