夫の死を望んだり、子宮が恋して不倫が始まったり、はたまた恋した相手が殺人鬼なのかもしれないと悩んだり、現在放送中の連ドラは何かと「濃い味付け」の内容が多い中、4月24日にスタートした芳根京子主演「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系)に視聴者から感謝の声があがっている。何に感謝しているのかといえば、「キュンキュンさせてくれたから」であり、「今後もキュンキュンさせてくれそう」な「ピュアラブ」の土台をしっかりと見せてくれたことに感謝しているのだ。
舞台は昭和11年、関谷家の三女・なつ美(芳根)は父親の篤三(高橋努)が見つけてきた帝国海軍中尉の江端瀧昌(本田響矢)と1週間後に結婚することとなる。結婚式の当日に瀧昌は訓練が入り欠席。なつ美は2週間後に初めて瀧昌と顔を合わせる。無口で無表情な瀧昌にどう接すればいいか、男性に免疫のないなつ美は思い悩むが、瀧昌もまた女性に免疫がなく、なつ美への接し方がわからず困っていた。第1話では「初夜」に何をするのかさえわからないなつ美は瀧昌に質問するが、「せ…っぷんから…」と答えた瀧昌も、それを聞いたなつ美も戸惑い、2人はお互いの布団の中から手だけを出して握りながら眠り、翌朝はよく眠れずに起きるというエピソードが描かれた。
西香はち氏による同名マンガが原作なのだが、原作マンガ以上かもしれないと思わせてくれるほど可憐で初心なやり取りを、芳根と本田がリアルに演じてくれたため、ネット上には「こういうのが見たかった!少女マンガから抜け出て来たような2人にキュンキュンしっぱなし!!ピュアキュンの詰め合わせみたいな1時間強だった」「ドラマを見てこんなにキュンキュンしたのは久しぶり。芳根ちゃんが“接吻”と聞いて自分の頬を殴る姿がヒィッて声が出るほどかわいかったし、あの演技がハマるのは芳根ちゃんしかいない!」「瀧昌役の本田響矢くんの顔面の強さが原作マンガ以上にマンガというか。現代に実在する人間とは思えない清く美しいところが昭和11年という設定に合ってる」「このキャスティングは大優勝!この2人とその周囲の人々をずっと温かい目で見守っていたい」「ニヤケながらずっと見てた。この2人のピュアさが尊い。ずっと見ていたくなる」「やっぱり純愛ドラマはいいな。このドラマには久しぶりにハマりそう」といった称賛の声が殺到している。
原点回帰とも言えそうなピュアでストレートな純愛ドラマの「めおと日和」。実は多くの人々が待っていたドラマは、「刺激」よりも「癒やし」のある「めおと日和」のような、出汁の香りが鼻をくすぐる、薄味だけれど美味しさがよくわかる和風ドラマだったのかもしれない。
(森山いま)