放送中のNHK朝ドラ「あんぱん」では、今田美桜演じる主人公の朝田のぶや嵩（北村匠海）と小学校の同級生で、のぶの妹で郵便局に勤める蘭子（河合優実）にプロポーズをした田川岩男を演じている濱尾ノリタカ。濱尾はなんと朝ドラだけでなく、放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」にも歌舞伎役者の市川門之助として出演している「NHKに目をかけられている新人俳優」なのだ。
そんな濱尾は4月28日放送の「あさイチ」（NHK）に初出演。番組冒頭ではMCを務めるお笑いコンビ・博多華丸大吉の間に立ち、「おはようございます。4月28日。月曜日の『あさイチ』です」とあいさつをした。いくらNHKから“目をかけられている”とはいえ、なぜ、いつもなら大吉が担当する「おはようございます」のあいさつを濱尾がしたのか。
実はコレにはワケがある。さる4月15日放送の「あんぱん」第12話を「あさイチ」でドラマ受けした時のこと。この日はドラマの舞台となっている御免与町で開催された「パン食い競争大会」の様子が描かれていたのだが、パン食い競争に出場した岩男（濱尾）を見た番組アシスタントの鈴木奈穂子アナは、「おふたりに似ていません？華大さんを足して割ったというのかな。（濱尾にスタジオに来てもらって華丸と大吉の）間に入ってもらいたい。いつか」と話していたため、ついに「その日」がやって来たのだ。
画面の左から華丸、濱尾、大吉と並んで「おはようございます」とあいさつが終わると、大吉が「話はいっていると思いますが、鈴木アナウンサーが『華丸と大吉に似ているね』と濱尾さんのことをおっしゃって、検証しようということでこのようになりました」と状況を説明。それを受けた濱尾は「恐縮です。緊張しています」と言い、大吉は「確かにシルエットは私だけど、パーツは華丸さんか」と率直な感想を口にした。大吉の感想を聞いていた華丸は「そぉお？」と隣りに立っている濱尾をガン見。濱尾は華丸と大吉の顔を見比べるようにしながら「実際、お会いしてみると、似ているのかもしれない」と、最後のほうは吹き出しながらコメントした。そんな濱尾の言葉に共感したらしき大吉は、「意外とこういうのって実際に会ったら似てないパターンが多いじゃないですか。（ところが濱尾は）想像を超えてきたかもしれない」と驚いたような表情を浮かべた。そんな先輩方の反応を受けて、濱尾は「皆さんがどう思われるかを伺いたいです」とまとめた。
そこに遅れて登場した鈴木アナが「本当に似ています。華大さんがフュージョンしたら濱尾さんっていう…。感動しちゃった。そして顔が小さい。スタイルもすごくいいですね」と声をかけると、濱尾は「恐縮です」と謙虚に反応。大吉から「申し訳ないです。ごめんなさいね」と頭を下げられた濱尾は「こちらこそ。脳天とか丸刈りで」と、ドラマの役作りにためだと思われる髪型を謝るシーンまであった。
この日の「あさイチ」は「自分褒め」から生まれるパワーを特集していたこともあり、番組中盤で濱尾が、ファンから送られてきた華大の若い頃の写真に対し「おふたり、めっちゃカッコいいっす！」と褒めると、大吉は「褒めなくていい、褒めなくていい」と笑顔を見せながら拒む様子を見せたが、濱尾は「それでうれしくて」と身を乗り出した。すると華丸がおもむろに「今夜、空いてる？」と声をかけると、濱尾は「空いてます！」と学生時代は華丸と同じく水泳に打ち込み、全国4位（リレー）を獲得したこともある体育会系らしい元気な返事をした。
さらに番組終盤では、「みんな！ゴハンだよ」の料理コーナー進行のために登場した番組サブキャスターの駒村多恵から「実は私、濱尾さんと行っているレストランが同じなんですけど。この前、カフェラテを頼んだらアンパンマンのラテアートが出てきて。『どうしたんですか？』って聞いたら、『子どもの頃から通ってくれてる濱尾くんが“あんぱん”に出るんで』って。（お店の方から）めちゃくちゃ愛されてるんです！」と東京出身の濱尾らしいエピソードが飛び出した。ちなみに濱尾は幼稚舎（小学校）からの慶應ボーイ。2022年3月に法学部を卒業している。
2023年放送のNHK版「大奥」で堀田真由演じる徳川家光と福士蒼汰演じる万里小路有功の間に子どもができなかったことから、春日局（斉藤由貴）が連れてきた捨蔵を演じていた濱尾を見ながら「眉毛が極太すぎる」と顔を覚えていたら、朝ドラと大河ドラマに同時起用されているということは、期待されている証拠だろう。NHKに推されていれば民放からも注目されることは間違いなしだから、容姿が「1人華大」の濱尾の今後は安泰では。
（津島修子）
