シングル「シーズン・イン・ザ・サン」「あー夏休み」「夏を待ちきれなくて」など夏イメージのヒット曲で知られる4人組ロックバンド「TUBE」が6月1日(日本時間2日)、ハワイ州オアフ島の野外コンサートステージ「トム・モファット・ワイキキ・シェル」でライブを開催。会場には約6000人のファンが集まった。
1985年6月1日、シングル「ベストセラー・サマー」でデビューして今年40周年を迎えた彼らのメモリアルライブだったが、思わぬハプニングもあった。5月28日の段階で渡米に必要なビザ(査証)の許可がおりず、開催ギリギリの5月30日になってようやく無事に開催されることが発表されたのだ。TUBEのベスト盤の予告編動画が公開されたYouTubeチャンネル「TUBE Official YouTube Channel」(5月28日付)の視聴者からは、「無事開催を切に切に願ってます。父と母がすでにハワイに旅立ってます…」といった神に祈るような声も寄せられていたが、ある芸能関係者は、現地に集まったTUBEファンの様子をこう話す。
「ハワイにいる知人が目撃したところでは、事前に大挙してハワイ入りした日本人ファン同士で『TUBEのライブ、ちゃんと開催されるかな…』と一人が言うと、別の一人が『絶対、大丈夫。だってTUBEだもん』なんて楽観的な会話が交わされていたそうですよ。かえってファン同士の結束力は強まっていたようだったとか」
ちなみに、TUBEと同じく4人組のロックバンド「爆風スランプ」が6月14、15日に中国で予定していた「天知道」の開催を「不可抗力により開催が困難であるとの結論に至りました」と6月3日に発表。昨年、歌手・松山千春が狭心症の症状悪化から、10月以降に予定していた全国ツアーを中止しており(治療後に今年4月からツアーをスタート)、有名アーティストの海外公演の開催に「絶対、大丈夫」ということは残念ながらないわけだが、TUBEの場合はファンの思いが天に通じたような結果を見た。
コンサート当日の6月1日のワイキキは朝から雨がパラつく空模様だったが、開場前には雨もやんでいた。ライブ冒頭のMCで、TUBEのボーカルの前田亘輝は、この天気についても、「これからのTUBEの前途いろいろあるけど、なんとなくやっていけるんじゃないかという暗示のような気もするんですよね」と明るい表情で語っていたという。
ビザ取得をめぐるハラハラする展開も乗り切って、まさに「雨降って地固まる」。この調子で行けば、TUBEの未来は、41周年、42周年…ひいては50周年に向けて前途洋々のようだ。
(所ひで/YouTubeライター)