浅田真央の引退ニュースが、フィギュア界の至宝の喪失として世界各国で報じられている。これまでの功績や日本での人気ぶりを取り上げる内容が多いなか、お隣、韓国では「キム・ヨナの壁を越えられなかった浅田真央引退」などと、浅田の偉業を貶めるような報道が散見されることに浅田のファンが心を痛めているという。
「韓国は認めたくないと思いますが、バンクーバー五輪の時にはGOE(各要素の出来栄え)の加点が必要以上に高かったのです。ですからキム・ヨナの歴代最高得点である228.56点は、現行ルールで計算すると220点強くらいになると言われています。もちろん競技である以上、その加点をうまく利用したキム・ヨナ側の戦略が成功したということですから、金メダルについては異論の余地はありません。しかし実力を考えた場合、浅田真央のほうが上というのはスケート関係者なら誰もが思っているところ。さらに、バンクーバー五輪後に浅田はジャンプの立て直しなど素人目にはわからない細部まで改良に取り組みましたが、キム・ヨナの滑りはまったく変わらなかった。ロシアのテレビ放送で解説をしていたタラソワコーチが『彼女の滑りは4年間まったく何も変わっていない』と批判したほど進化がなかったのです。そんな背景があるにもかかわらず、キム・ヨナを越えられなかったとする韓国メディアに、日本のファンは激怒しているのです」(スポーツライター)
キム・ヨナはたしかに金メダルを取ったが、浅田のような人気はない。
「キム・ヨナのようになりたいという選手は少ないですよ。そのスケート性が、現役選手たちに憧れを抱かせるものではないということですよね。ロシアではいまだに浅田の演技を“教科書的”お手本と見せていますから、日本人だけでなく海外でも浅田を目指す選手が多いのもうなずけます」(前出・スポーツライター)
17年の世界選手権で、浅田を尊敬するロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手がキム・ヨナの世界最高得点を抜いてみせた。“真央イズム”は今後も継承されていく。
(芝公子)