公式戦初の敗北から気を取り直して30勝目をあげた藤井聡太四段。将棋のわからない一般人はどうしても将棋の強さ以外の部分に目が行ってしまうが、7月2日放送の「スポーツ酒場語り亭」(NHK)で、藤井四段の師匠である杉本昌隆七段の解説が実にわかりやすかったと話題になっている。
「杉本七段は、加藤一二三九段とのデビュー戦を解説したのですが、中盤で藤井四段が定石ではない一手を指した場面をサッカーになぞらえて説明したのです」(芸能ライター)
この対局の中盤、膠着状態になっていたところで形勢を変えたのが藤井四段だった。
「杉本七段によると、サッカーでいえば真ん中でボールをもみあっている状態で、わざと相手にボールを渡すような状況を作ったのだそうです。味方のゴールはガラ空き、重戦車のような猛攻を見せる加藤九段に、先に攻めさせてはダメというのが将棋界の常識だというのに、藤井四段はわざとボールを渡したうえで、鉄壁のGKのように守りきる、という手段に出たのだそうです」(前出・芸能ライター)
そう聞けば、藤井四段の一手がいかに型破りだったか、そしてその守りがいかに強固だったかわかる気がするから不思議なものだ。
今後も、藤井四段の活躍、そして杉本七段のわかりやすい解説が楽しみだ。
(伊藤その子)