ジョン・レノンが自らの殺害犯であるマーク・チャップマンに宛てたサイン入りアルバムが180万ドル(約2億円)の値をつけるとみられている。このアルバム「ダブル・ファンタジー」は1980年12月、ジョンがニューヨークのマンハッタンにある自宅前で熱狂的なファンのチャップマンによって殺害されるわずか数時間前にサインされたものだった。
チャップマンはそのアルバムをジョンの自宅、ダコタ・ハウスの入り口にある植栽の中に隠して、ジョンとオノ・ヨーコの帰宅時に銃撃した。ジョンが建物内に入るところをチャップマンは背後から4度撃ったことでジョンは命を落とし、そのアルバムは翌年に地区検事からの感謝状と共に発見者の一般市民の元へと返却されていた。
アルバムジャケットには科学捜査のために浮き出されたチャップマンの指紋が現在も残っているそうで、さらに希少価値が高くなっているという。
このアルバムは1999年に、発見者からプライベートのコレクターに販売されていたものの、現在の所有者はこれを「ゾッとする」ものだとして売却することに決めたようだ。アルバム販売を仲介する米ディーラーのモーメンツ・イン・タイムのゲイリー・ジメット社長は「ジョン・レノンを銃撃するために、マーク・チャップマンはこのアルバムをどこかに隠す必要があり、マンションの入り口の両脇に置かれていた大きなプランターの1つに隠したのです」「事件のあった夜に通行人がプランターにあるそのアルバムを発見し、警察に届けました。警察がそれを証拠品として使用した1年後、地区検事からの感謝状と共に発見者の男性の元へと返却されました」「ビートルズファンの発見者男性はベッドの下に18年間保管した後、売却を決めました」「そして現在の所有者も権利を手放して売却することにしました」「このアイテムは少し恐ろしいものではあるものの、ロック界における最も重要なアーチファクトと言えるほどの品です」と説明している。
単なるコレクター商品ではないことは確かなようだ。