上司や取引先との食事会、接待などで訪れることのある料亭。外国人誘致が進むニッポンにおいては、ますます和食文化に立ち返る動きが活発化してきています。
また、和食が世界文化遺産に選ばれたこともあり、日本の料亭はより一層、世界から注目される貴重な存在になりはじめているのです。
ところが、そんな料亭ですが、正直、私たち日本人でも料理を目の前にすると、意外とマナーやルールに自信がないと気付くことが多々あります。
そこでこの機会に、あまり知られていない「料亭のルール」を確認しておきましょう。
■ルールその1‥‥お椀が濡れているのは、料理人がつけたしるし
お椀が出されたとき、ふと、ふたの部分を見ると、点点と水滴がついていることがあります。実はコレ、決して拭き忘れたわけではなく、料理人がワザと残したもので、「ちゃんと料理が入っていることを確認しました」というしるしなんです。間違っても「ふたが濡れているから取り替えてください」なんて言わないように。
■ルールその2‥‥器の上に箸を置いてはいけない
これは「渡し箸」という禁忌の箸マナーです。普段の自宅での食事では、一旦箸をご飯茶碗の上などに置いて、飲み物を飲んだり、何か他のものを取ったりすることがあるかもしれませんが、料亭ではきちんと箸置きに置かないとマナー違反となってしまいます。
■ルールその3‥‥「お茶漬けはいかがですか?」は「早く帰ってください」の合図
京都の料亭では、「早く帰ってほしい」という意思を間接的に告げるために「お茶漬けはいかがですか?」と勧めることがあります。知らない人は「めちゃめちゃ歓迎されてる!」と勘違いしがちですが、その真意はまったくの逆なんですよ。
ちょっとしたことだけど意外と知らない料亭ルール。ぜひわきまえておきましょう。