ウォーキングは、手軽にダイエットや美脚効果を目指せる運動ですが、「一定の強度、つまり負荷を与えないと、その効果が薄くなってしまいます」と、フィジカルトレーナーである中野ジェームズ修一さんは説明してくれます。前回の記事では、歩くコースに、階段や坂道を取り入れる方法をアドバイスしてくれました。
しかし、もっと簡単に負荷を高めて、効果的に歩ける方法もあるそうです。それが「インターバルウォーキング」。やり方はいたって簡単、普通の速度の歩きと、少し早足の歩きを繰り返すだけ。これならば、平坦な道でも強度を高めることができるというのです。
いつもの速度で歩き始めて、「少し体が温まってきたな」と感じたら、全力で歩く時の60~70%の速さで3分程度歩きます。そして、普通の速度に戻し、また早足を3分、これを繰り返すだけです。早足の感覚的な目安は、「少しキツイな」と感じる程度です。感覚は人によって違いますから、自分のできる範囲で試してみるといいでしょう。時間を測るのが面倒だという人は、「ここからあの電柱までは早足。次の区間はゆっくり歩き」と、何か目印を決めて歩いてもかまいません。
信州大学大学院医学系研究科の能勢博教授が、20~80代の男性351名、女性561名、平均年齢56歳の人たちに参加してもらった研究では、インターバルウォーキングを始めてから5ヶ月後に測定したところ、太ももの筋力や持久力が大きく向上したそうです。それに加え、生活習慣病指標である体重と体脂肪率にBMI、最高血圧と最低血圧、血中高コレステロール濃度、空腹時血糖値などのすべてが改善したということです。つまり、インターバルウォーキングは、ダイエット効果と同時に、太もも周りの引き締めにも役に立つのです。
理想は、この歩き方を1日30分、毎日やることですが、別にまとめてやる必要はありません。10分を3回、15分を2回など、分割しても効果はそれほど変わらないのです。また、毎日というのは現実的に難しいと思うので、週に2~3回を10週間以上継続することを目標にすると、ハードルが低くなるはずです。
これなら通勤や通学、買い物などの途中でもできそうだと思いませんか。ぜひ、試してみてください。
(医療/フィットネスライター・松尾直俊)