3日に放送された音楽特番「全日本歌唱力選手権『歌唱王』」(日本テレビ系)の最終結果に多くの視聴者が異論を唱えていたようだ。
全国の歌うことに自信のある人なら誰でも応募できる同局恒例の歌唱コンテストだが、番組には2万件を超える一般応募の中から厳しい事前審査を通過した21人が登場。さらに準決勝を勝ち抜いた14人で決勝戦を戦った結果、大阪の路上シンガーが優勝を決めた。その歌声には審査員を務めた宮本亜門が号泣するなど確かに唸らせるものがあったが、視聴者からは「この人も歌は上手かったけど、ビヨンセ歌った人の方が上手かった」「審査方法には不満がある。もっと公平な審査をしてほしい」「4時間半見せられて結果がこれかよ」と、その採点方法にブーイングの声があがっている。
というのも、決勝ステージの審査システムは小室哲哉、秋川雅史、マシコタツロウらプロの審査員が生歌を聴いてつける点数のほかに、出演者が前もって歌った童謡「ふるさと」の動画をインターネットに上げ、それに一般の人が投票する「事前審査」があり、両方の得点の合計で優勝者を決めるというものだったからだ。
「優勝者の審査員による点数は14人中3位(同点3位が2人)だったものの、事前審査の点数で上位3人を上回っての優勝でした。生放送で視聴者からの投票を行うならまだしも、視聴者がほとんど知らなかったであろう事前審査が大きく影響したわけですから、納得がいかない人が多かったのも無理はないでしょうね。だったらプロの審査員だけでいいよ!という視聴者もいたようです。
そもそも一般層が審査するにしても、番組放送前に審査に加わるという熱心な視聴者がどれだけいるのか。路上シンガーといっても優勝者はCDやDVD、さらにはフォトエッセイもリリースし、サイン会などのイベントも行っている、いわばセミプロのような位置づけ。元々ファンもいたでしょうから、完全な素人よりは一般審査では有利に立てるのは目に見えています。現に審査員の点数トップの女性は1000点満点中995点とほぼ満点をもらったものの、事前審査の点数で優勝者に大きく水をあけられました」(エンタメ誌ライター)
来年からはそういった視聴者の声を加味して、審査方法を再検討した方がいいかもしれない?
(田中康)