山田涼介の存在感を薄めて奏功した「もみ消して冬」の視聴率戦略

 Hey!Say!JUMPの山田涼介が主演を務めるドラマ「もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~」(日本テレビ系)の第2話が1月27日に放送され、視聴率が2週連続の11.1%と好調をキープした。山田は16年10月期の主演ドラマ「カインとアベル」(フジテレビ系)が平均視聴率8.2%に低迷。昨年にドラマ出演がなかったのは数字を持っていないことが露呈したからとの声もあったが、今回はその批判を数字で封じる形となった。

「その『カインとアベル』に関しては、フジ月9ドラマの凋落の流れに巻き込まれたという面もありました。しかし昨年12月公開の主演映画『鋼の錬金術師』にしても興行成績はさほど良くなく、役者としての山田の評価には疑問符がついていた。そんな声を払しょくするために、今回はあえて“名より実を取る”作戦に徹しているのではとの見方もあるようです」(テレビ誌ライター)

「もみ消して冬」では山田が主演ということになっているものの、物語は長男役の小澤征悦、長女役の波瑠、そして次男の山田という3人兄弟を軸に進んでおり、トリプル主演といってもいい作りだ。しかも山田の役は東大卒のエリートキャリア警察官でありながら、おっちょこちょいな末っ子というもの。作品を観ていても主役感はさほどないのである。

「今作は“ジャニーズドラマ”っぽさが薄くなっており、波瑠を目当てに観ている視聴者も少なくない。一方でコミカルな脚本はなかなか秀逸で、視聴率を狙いにいっている感があります。すなわち主役感を犠牲にしてでもきっちり数字を獲ることで、『山田=もってない』というイメージを払拭したいのではないでしょうか。そのぶん脇役にはジャニーズWESTの小瀧望を入れ込んでおり、ジャニーズ事務所としてもしっかりと“実”は取っている形です」(前出・テレビ誌ライター)

 今期は木村拓哉の「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)や、松本潤の「99.9ー刑事専門弁護士ーSEASONII」(TBS系)など、しっかりと視聴率を獲れるジャニーズドラマが目白押し。そのなかで後輩の山田はあえて存在感を殺しつつ、数字は稼ぐという策でいく作戦のようだ。

(白根麻子)

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