子どもの成長だけでなく、時代の変化にも影響を受ける“子どものお小遣い事情”。「Aくんの方がたくさんもらっているよ! もっとちょうだい!」などと、子どもにしつこくねだられたら、あなたはどうしますか?
家計の事情や教育方針によっても、金額や渡し方はさまざまだと思います。とはいえ、他の家庭の実例がヒントになることも。そこで、塾講師の筆者が小学生の子をもつ保護者から聞いた、「子どものことを考えて導入しているお小遣い制度」を2つご紹介します。
一つは、「必要なときに、必要なだけ与える」制度。子どもが「これ、買って!」と言ったときに、その内容を検討し、買うかどうかを親が判断するというもの。子どもが「これは、買ってもらえるかな?」と考える機会をつくることができ、自分のためになるのか、無駄でないのかを考える習慣をつけやすくなるそうです。
また、親が子どもの購買事情を把握することができるため、知らないところでとんでもないものを買っていた!という事態を防ぐことができるところが、メリットとしてあがりました。ちなみに、学びの現場で子どもたちの口から「お小遣いもっと欲しい!」という言葉が出ることはありますが、「欲しいときにもらっているよ」という子は、あまり不満を持っていないようです。
もう一つは、「プレゼン」制度。何かが欲しいとき、お小遣いの額を上げて欲しいとき、旅行で連れて行って欲しいところがあるときなど、“おねだりしたいこと”があるときは、プレゼンで親を納得させればOK、というものです。
ただもらおうとするだけでなく、おねだりが実現した結果、誰にどんなメリットがあるかや、実現のために自分はどんな努力をするかなど、説得するために何ができるかを考え抜く機会をつくることができますね。コミュニケーション力や説明力、人前で話す力なども養うことができそうです。
お小遣いは、ただお金を渡すだけでなく、子どもが考え、行動できるように、工夫したいと考えている家庭が多いようです。このように、お小遣いのあげかた一つでも、子どもに身につけて欲しい力を鍛えることができますね。
(Nao Kiyota)