素晴らしい師や友人に囲まれ、前向きに人生を楽しみ、社会で大活躍して欲しい──そのためにも、「子どもたちには、一生幸せに生きるための力を身につけてから大人の世界に飛び込んでいって欲しい」と思うのが親心ですよね。人と人とが協力し合って成り立つ社会で活躍するためには、協調性や相手への気遣い(思いやり)が欠かせません。その力は、学校生活や家族でのコミュニケーションはもちろん、「習いごと」で身につけたいものです。
■習いごとは「家族以外の大人」に触れるチャンス
習いごとは、技術だけでなく“心の強さ”を鍛えるチャンス。いつでも甘えられる親と離れ、厳しくも自分のことを思って接してくれる大人とのやりとりをすることで、自分に厳しく向き合ったり、約束事を責任を持って果たしたりする経験を積むことができます。
本当に信頼できる師匠に出会うと、子どもたちは変わります。「あんな大人になりたいな」と目標にするほど憧れることで、自身の力を高めるモチベーションも高まりますよ。
■異学年の子と切磋琢磨できる
大人とのコミュニケーション以外にも、人間力を高めるチャンスはあります。それは、異学年の子どもや自分より優れた技術をもっている子どもと切磋琢磨すること。大人に言われると「どうせ自分にはできない」と不安になってしまうことでも、身近な友だちがモデルなら、「Sくんができたんだから、僕にもできる!」と、自信をもって取り組むことができます。背中を押し合い、時には悔しい思いをしたりすることで、心を鍛えるトレーニングを積むことができるのです。
■親や学校と離れていることが重要
どんなことでも受け入れてくれる家族や、毎日同じ空間で過ごす学校の先生・友だちではなく、少し距離のある大人や友だちが相手だということも重要なポイント。習いごとの友だちにだからこそ相談できることがあったり、距離が近過ぎると実現しにくい特別な友情を手に入れたりすることもできます。
大人になったら、これまでの経験や知識からものごとを考え、行動するようになります。小さな頃からさまざまなことに挑戦し、さまざまな思いと向き合った子どもほど、自分の力で未来を切り開く原動力を持っています。子ども時代にこそ、「習いごとに没頭して切磋琢磨し成長する」機会を、ぜひつくってあげてください。
(Nao Kiyota)