昨年末繰り広げられたフィギュアスケートの全日本選手権。男子フリーの当日の公式練習で、羽生結弦選手が村上大介選手と激突するというひと幕があった。
転倒した2人だが、すぐに起き上がって笑顔で練習を再開。ジャンプする出会い頭にぶつかった14年のGPシリーズ中国大会のような惨事にはならず、関係者を胸を撫で下ろした。その後も、ぶつかった2人は特に体調に影響はなかったようで、無事に競技に出場したのだが‥‥。
「GPファイナルにも出場し、今季よい成績を残してきた村上選手は世界選手権も照準に入れて頑張っていましたが、7位に沈みました。フリーの途中から左膝を押さえる仕草を見せ、明らかに痛みがあるまま演技を続けていたようです。しかし、試合後のインタビューでは『公式練習で左膝に痛みが出て』と表現し、衝突のせいだとは言わなかった。不振を人のせいにしないスポーツマンシップに記者の間では感心の声があがっています」(スポーツライター)
その一方で、村上選手の株だけが上がるのには異論を持つファンもいるようだ。
「羽生選手もいつもの調子ではなかった。得意のトリプルアクセルで転倒するなど、いつもならありえないミスがいくつもありました。気の強い羽生選手のことですから、どこかに痛みがあっても決して口にはしないでしょう。それにフィギュアスケートは繊細な神経を必要とする競技です。その意味で、羽生選手にだってあの激突が演技に影響していなかったとはいえません」(フィギュアウォッチャー)
2人とも、次戦以降に影響がなければいいのだが。
(芝公子)