昨年暮れ、タレントで映画パーソナリティのLiLiCoさんが、1日400kcal、朝はワカメ、昼にピーナッツ、夜はササミという超低脂肪食の厳しい食事制限とトレーニングで、ボディビルの「オールジャパン・フィットネスビキニ選手権」全国大会の決勝で5位に入賞したことが話題になりました。
そんなニュースを見て“低脂肪食ダイエット”に挑みたいと思っている人もいるでしょう。
最近は牛乳やヨーグルトでさえ低脂肪を謳うものが増えてきています。健康に目を向けることは良いことですが、低脂肪食品は本当にダイエットに対して効果があるのでしょうか。
今回は、アメリカ国立医学図書館、国立衛生研究所のホームページに、興味深い調査結果が掲載されていたのでそれをご紹介しましょう。
この調査は、低脂肪食とメタボリックシンドロームの関連性を調べたもので、19歳以上の成人男女約3万4000人が対象です。対象者は1日摂取するエネルギーのうち、脂肪の割合が15%以下、15~25%、そして25%以上のグループに分けて、メタボにあたる人の割合を比較したそうです。
すると、結論から言ってしまえば、何とメタボの割合は25%以上脂肪からエネルギー摂取しているグループと比べて、15%以下の人達のほうに発症率が高かったというのです。また、15%以下の人達は、25%以上のグループに比べて、1日のエネルギー摂取量が500kcalほど少なく、炭水化物以外の栄養摂取量も低かったとも書かれています。それなのにこの結果は、ちょっと驚きですね。
この報告は、まだ調査途中のものなので、すぐに低脂肪食がメタボを悪化させるとは言い切れませんが、何らかの因果関係があるかもしれません。
それに「炭水化物以外の栄養摂取量も低かった」という記述があるので、脂質の代わりに糖質摂取が多くなったのかもしれません。
実は食物から脂質と糖質を摂取した場合、糖質の方が体脂肪になりやすいので、その結果、メタボを促進したことも考えられます。
LiLiCoさんのような食事制限とトレーニングは、限られた目的と期間のみに行うもの。真似ると、どこかに無理がかかり、かえって体を壊しかねません。低脂肪食でダイエットする際には、十分に注意しましょう。