平成が終わりを告げるカウントダウンの特番で、改めて実証されたのは解散したSMAPの存在価値だ。平成最後の夜、テレビ朝日系列で放映された「羽鳥慎一モーニングショー夜の特大版 今夜決定!あなたが選ぶ平成ニッポンのヒーロー総選挙」では、芸能部門で堂々トップ。芸能部門、スポーツ部門、ニュース&文化部門を合わせた総合1位にも輝き、平成30年間のシンボル的存在だったことを見せつけた。
さらに、トリプルミリオンを突破した大ヒットソング「世界に一つだけの花」は、平成における著作物使用料分配額ランキングで第1位(日本音楽著作権協会=JASRAC調べ)。分配額は、CDや配信によるセールスだけでなく、コンサート、カラオケ、放送などあらゆる利用が反映された数字とあって、SMAPが与えた影響力の大きさを感じずにいられない。
そんなSMAP5人は、16年大みそかの解散以降、一度も集まっていない。実はグループ活動をしていたころも、仕事以外ではまったく顔を合わせなかった。ところが、「笑っていいとも!」(フジテレビ系)が放映されていたころは、レギュラーメンバーだった中居正広、草なぎ剛、香取慎吾が完全プライベートで会っている。テレビ誌のライターが当時をこう振り返る。
「2001年、司会のタモリさんが目をケガして入院しました。その病室で、3人がそろっていたのです。この日に出くわしたのが、同じく“いいともファミリー”だった笑福亭鶴瓶。彼は大阪で仕事があったため、急きょ最終の飛行機で帰京して駆けつけたのですが、着の身着のままでやって来たので、手ぶらだった。3人は『大人なのに、何にも持ってきてないんですか!?』と皮肉たっぷりにいじったそうです」
3人にとって鶴瓶は、からかって笑い者にできるおもちゃのようなもの。この暴言も当然、狙って言った。わざわざ駆けつけた優しさに感動するのではなく、手ぶらを指摘することで、その場をなごませたのだ。
「ちなみにその日、3人は果実を持って行っていたそうです。鶴瓶は後日、改めて病室を訪れて、見舞い品を渡しました。目が悪いというのに、艶系DVDを(笑)。タモリさんが夜に観ていると、うなされていると勘違いした看護師さんが『どうされました?』と慌てて部屋に入ってきたそうです(笑)」(前出・テレビ誌ライター)
入院をも笑いに変える素晴らしき“いいともファミリー”。鶴瓶の引き寄せ力は感嘆に尽きる。
そんな鶴瓶は「いいとも!」終了後も中居と、「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系)で今なお共演中。ジャニーズ事務所を退所した草なぎ、香取、稲垣吾郎との交流も断続的ながらも切れてはおらず、3人がAmebaTVでレギュラー番組を配信、主演舞台が幕を開けるときには、差し入れやスタンド花を欠かさない。
SMAPのおよそ28年(※88年の結成時から)にわたる歴史を振り返るうえで欠かせないキーマン、鶴瓶。中居にとっては、最愛のパパ・正志さんにそっくりなところも、ファミリー感覚でいられる一因だという。
(北村ともこ)