多くのママに「こんなにイライラして子どもに当たってしまうのは、私だけかしら……」「私は母親失格なのでは……」と考えさせてしまう要因に、 “育児疲労”があります。実はこれ、体の疲れよりも、心の疲れの方が大きなストレスになっているようです。疲れることが当たり前、と知っておくことで対処もしやすくなります。先輩ママたちの意見をみてみましょう。
医療/福祉・保育業界へさまざまなサポート事業を展開しているcarrierSeed社が、未就学児童を子に持つ母親1,007名を対象に実施したインターネット調査「『ママの疲れ』に関するアンケート」によると、「育児の疲れは精神的なものと身体的なものではどちらが大きいですか?」という質問に、「精神的な疲れ」と回答した人は65.0%、「身体的な疲れ」と回答した人は35.0%でした。多くの人が精神的に強いストレスを受けていることが分かります。
また、具体的にどのようなことでストレスを感じるかを尋ねた結果、「子どもが言うことを聞かない」(37.3%)が最も多く、次いで「自分の時間が持てない」(28.2%)、さらに「夫が協力的でない」(11.3%)、「寝不足」(10.6%)、「子育てへの不安」(8.4%)という回答がありました。子どもがいつ泣き出し、いつお昼寝をするかなどはなかなか予想できませんし、急に体調を崩してしまうこともあります。いつでも突発的な状況に対応することが求められる子育ては、大人側の思い通りにはいかず、自分だけの時間も捻出しにくいもの。そういったところに、ストレスを感じているママが多いようです。
さらに、子育てのストレスにより「どのような症状が出ましたか?」との問いには、「イライラ」(71.5%)が最も多く、「ぐったり」(18.8%)、「泣きたい」(3.6%)、「不安」(3.0%)という回答が続きました。イライラのはけ口を子どもに向けてしまうと、悲しくなったり後悔したりしてしまい、ストレスそのものを解消できないケースもありますよね。「ストレスは解消できていますか?」という質問に「はい」と回答した人(48.5%)は50%を下回りました。
未就学児の教育現場では、「いつでも笑顔の母親になれません……」というお悩みをいただくこともしばしば。多くの育児ママが「こんなにイライラするのは自分がいけないのでは」「子どもにとってよい母親になれていない」と、自信をなくしてしまうようです。調査からも分かる通り、イライラしてしまうのは“自分だけ”ではありません。家族で協力して育児を分担し、ママの時間を増やすことでストレスを発散したり、ときには預かりサービスや実家に子どもを預けて夫婦の時間を作ったりすることも重要な子育ての一環です。子どもの年齢や家庭の状況のなかで無理せずできる方法を考え、実践しましょう。
子どものことを思うほど、よいママでいたいと思うほど、やれていないことに目が向きイライライしてしまいます。パパもぜひ、「うちの嫁が豹変した……!」ではなく、「子育てはママをイライラさせる」と知ってサポートしてくださいね。
(Nao Kiyota)