筆者は、結婚して子どもができて初めて「家計」について考えるようになり、貯蓄の難しさや何かあったときにすぐに動かせるお金を確保しておくことの重要性を痛感しました。とはいえ、大切さに気付くことと、安心できるやりくりを実践することは別物。お金の使い方や貯め方をこれまでと変えていかなければ、思うようにやりくりはできません。そこで、家計のやりくりを上手に実践するためのコツを紹介していきましょう。
■やりくりのスタートラインは「お財布の仕分け」
お金の出入り口が一つだと、「まだこんなに余裕がある」と思ってしまい、本来貯蓄に回すべきお金をその月に使ってしまったり、「ここにあるものが全てなので、これ以上の緊急事態が起こったら破綻する…」という不安がつきまとったりします。そんなことにならないためにも、とても簡単で分かりやすい方法があります。それが、お金の出入り口を分けることです。
例えば、銀行口座やお財布を複数用意し、「生活費(その月に使用する予定のお金)」「緊急費(冠婚葬祭や家電の故障時など不定期に必要になるお金)」「貯蓄(手をつけずに確保しておくお金)」などにお金を振り分けてしまうことです。場合によっては、キャリアアップのために「使う」お金を確保したり、運用のための資金を確保したりと、働き方やライフスタイルによってお金の出入り口の分け方も変わってきます。
このように、貯めておく場所を分けておけば、「余裕があると思って気が緩み、使ってしまった」という事態を防ぐことができますし、自由に使っていいお金に上限があることで、節約ややりくりを積極的に行えるようになりますね。
■将来をシミュレーションすることも重要
生活費や貯めていくべきお金の額は、ライフスタイルや子どもの人数、仕事の内容や生き方によって異なります。不安だからと闇雲に貯めるばかりでは、使うべきところにお金を振り分けられなくなってしまいますし、何も考えずに使っていればまとまったお金が必要になったときに動けなくなってしまいます。
まずは、人生のうちで、どのタイミングでどのくらいのお金を使うことになるのかシミュレーションすることが大切です。必要な額が分かれば、生き方や働き方を調節していくことも可能。「私たちが幸せに生きていくために必要なものや、そのためにできる工夫は何か」という視点で考え、計画的に取り組んでいきたいですね。
(Nao Kiyota)