TBSの安住紳一郎アナウンサーが12月15日放送のTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」に出演し、アナウンサーの人気をランキング化する風潮に苦言を呈している。
「ORICON」は13日、年末恒例企画である「好きなアナウンサーランキング」の女性編に続いて、男性編も発表。首位には3年連続5度目のトップとなった羽鳥慎一アナが選ばれ、安住もかつて同ランキングでは5連覇を達成して殿堂入りを果たすなど、上位の常連として名を連ねていたが、「アナウンサーは人気(が基準)じゃないっていうことを何度も言ってるんで、そろそろこういうランキングはやめにしていただきたい」と切り出すと、その理由として、若手アナウンサーらが嫌われないことを意識し過ぎるあまり、コメントを控えめにしてしまう傾向が強まっていることを挙げた。
また、「人気を気にすると言えない一言とかが出てくるんだけど、それはやっぱりアナウンサーとしてはそういう仕事じゃないから。嫌われると思っても言わなくちゃいけない一言はある」とも持論を展開。人気を意識してしまうことが、アナウンサーとしてやらなければならない役割の足かせとなっている現状を嘆いた。
「局アナは本来はタレントではなく、各テレビ局が雇う社員という立場なのですが、どうしてもルックスや育ちの良さがアイドル的な人気を集めてしまう傾向が強く、局としても、サラリーの中で雇える社員がタレント枠のような活躍を見せていることに対して、取り立てて問題視するような気配はありません。中には、出演するアナウンサーを目当てに番組を視聴するファンもいますから、そうなれば、局にとってはコスパの高いキャスティングということになります。ただし、安住アナのように現在は後輩を育てなければならない立場の人間からすると、タレントのように前に出たがる若手や、然るべき役割をこなせてない風潮には、やはり“人気ランキング”の影響があると考えてしまうのでしょう。難しい問題ですが、結局は大元であるテレビ局がアナウンサーの人気によって旨みを得ている内は解決が困難かもしれません」(テレビ誌ライター)
世間からは「アナウンサーのタレント化をどうにかしてほしい」「安住アナの言う通りです。アナウンサーに人気なんか要らない」「同意します。個性がないと生き残れないのか、変なキャラ作りに必死になっている人もいる」と安住アナの指摘に賛同する声が大半だが、ランキングを無くした途端にそれらの問題が完全に解決するとも限らない。
やはり、各テレビ局の方針も再考する必要があると言えそうだ。
(木村慎吾)