品薄状態の続くマスクを巡り、新しい販売方法が静かに広まっているようだ。多くのドラッグストアではすでに「開店時の先着販売」を取りやめており、毎日のように早朝から並ぶ客による買い占めはなくなっているが、今度はまた新しい問題が発生しているというのだ。
「いつ販売されるとも分からないマスクを狙って、ドラッグストアの店内に居座る客が出現。さすがにイスを持参したりはしないものの、1時間でも2時間でもひたすらマスクの販売を待ち続けるため、店内が不必要に密集状態になるという問題が発生しているのす」(子育て中の女性誌ライター)
これには店舗側も困っているが、客をむげに追い出すことはできない。一部スーパーのように入店制限をしたくても、ほとんどのドラッグストアは小規模店ゆえにスタッフが足りないうえ、軒先にも多くの商品を陳列していることから入店制限が現実的ではない。そこで最近ではこんな対策も取られているという。
「一部の店舗では、何らかの商品を購入した客に小声で『マスクありますけど要りますか?』と尋ねる方式を導入。これなら居座り続ける客にマスクを買われてしまうこともありませんし、なじみのお客さんなら顔を覚えているので、声掛けするしないの判断も可能です。本来なら客の選別はすべきではないものの、公平な販売という観点から生まれた苦肉の策と言えるでしょう」(前出・女性誌ライター)
もちろん賛否はあるだろうが、こういった販売方法の工夫も、庶民の知恵と言ったところだろうか。
(白根麻子)