育休から仕事へ復帰した人が、社内で授乳や搾乳をしている姿を見かけることはあまりないかもしれません。しかし、子どもは通常、1~1歳半ごろまで母乳やミルクを飲み続けます。母乳育児をしている女性は、子どもが母乳を卒業する前に仕事復帰する場合、どのような対応をしているのでしょうか。
母乳育児の専門ブランドAMOMA natural careが2020年1月に行った「授乳期ママの仕事復帰に関する調査」によると、育休中の方300名の60.7%が「仕事復帰後も授乳継続を希望する」と回答し、既に仕事復帰した方45名の62.2%が「仕事復帰後も授乳を継続している」と回答したそうです。
復帰後も授乳を継続する理由としては、「できるだけ母乳をあげたい」、「月齢が小さいため」、「子どもがおっぱい好きなので」、「スキンシップ・コミュニケーションのため」、「子どもやママの精神安定のため」などの声が寄せられています。復帰後の授乳継続に対する不安ごととしては、「乳腺炎などのおっぱいトラブル」、「母乳量の減少」、「搾乳場所が無い」、「搾乳の時間が取れるか」などが挙げられたそうです。
母乳育児を続けるには、子どもへの授乳や搾乳を継続して行う必要があり、それが出来ないと母乳の出が悪くなったり、乳腺炎などの不調を起こしやすくなったりします。そのため、仕事復帰に伴い、搾乳の場所や時間がないなどの理由で母乳育児をやめ、市販の粉ミルクに変更するという人も多いようです。前述の調査結果からは、母乳育児を続けたいけれども環境が整わず不安を抱えている人や、やむなく諦めたりしている人がいる様子がうかがえます。
筆者は現在母乳育児をしていますが、妊娠するまでは仕事復帰後も母乳をあげ続けることの大変さを知りませんでした。そのため、職場に復帰した方に対する配慮やサポートについて考えないまま、自身の復帰後の生活に向き合い初めて困りごととして受け取っています。今後、女性にとってより働きやすい環境作りを考える際には、子どもだけでなく母へのサポートも重視していく必要がありそうです。
(Nao Kiyota)