教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹氏が4月26日放送の「真相報道バンキシャ!」(日本テレビ系)に出演し、新型コロナウイルスによる影響を教育改革の契機にするべきとの見解を示した。
緊急事態宣言が出されたことで外出自粛生活を強いられる学生は、自宅での学習を余儀なくされ、一部でオンライン授業が実施されているものの、その普及率や意思伝達の難しさなど、解決しなければならない課題は山積み状態であるといえる。
また、文部科学省は夏休みの短縮や、1日7時間授業、さらには運動会・修学旅行の見直しなどといった妥協案を検討中とのことだが、これについて尾木ママは「狭い器の中に削られた部分を押し込めようとしているようなもの」と表現し、無理やり帳尻を合わせようとするやり方には反対。詰め込みすぎる教育ではストレスも併発すると訴え、カリキュラム量を減らすと同時に入試の範囲も狭めることで解決すべきだと提案した。
続けて、今回のコロナ禍をきっかけに日本でも欧米式の「9月新学期、9月始業制」を採用することを推奨。ネガティブな事実ばかりがクローズアップされる新型コロナウイルスではあるが、教育界にとっては「変えるのに良いチャンス」だとし、「(9月新学期への移行で)グローバルな基準に揃えることができて、大学のレベルを上げることもできる」と説明している。
「普段から自身のブログで教育に関する課題や問題点を発信してきた尾木ママですが、批判や苦言ばかりを書き連ねることが多く、“理想主義者”とか“代替案を出せ”などといった批判の声もありました。しかし、同番組では詰め込み教育への反論だけでなく、9月始業制の提示やそのメリットなど、具体的な代替案を分かりやすく教示したことから、ネットでは『この人、いつも無責任なことを好き放題言ってると思っていたけど、この件については賛成です』『尾木さんから初めて具体的施策が聞けた』『2児の母です。この案は大賛成です。根本から教育を考え直す最大のチャンスだと思います』と賛同者が多数。現在のような状況では、オンライン化を実施できている学校もあれば、宿題のみとなっている学校もあるなど、学生の境遇に大きな差が出てしまっており、一刻も早くきちんと統一化された新たな体制を求める声もあります。世界では9月の学期スタートがメジャーですから、日本もこれを機に9月の始業を軸にしていくのも検討すべき案といえますね」(女性誌ライター)
“初めての有効な具体案”と言えば失礼だが、尾木ママにとってもこのコロナ禍は、理想主義者から教育界の革命戦士へと変貌を遂げる契機となるかもしれない。
(木村慎吾)