テレビ朝日報道局局員の玉川徹氏が7月29日放送の「モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演し、大阪府の吉村洋文知事が府民に向けて5人以上の飲み会の自粛を要請したことについて、「合理性はないです」と一蹴した。
大阪府では7月下旬以降、新型コロナウイルスの新規感染者数が連日にわたって100人を超えており、28日には155人で最多を更新。これを受け「新型コロナウイルス対策本部会議」を実施した吉村知事が府民に対し、「5人以上の飲食・飲み会を控えること」を8月1日から20日まで要請することを決定した。
玉川氏はこの対策に関して、コロナへの感染対策を徹底している層は「そもそも飲み会はしないです」と指摘すると、このコロナ禍で飲み会を開催している層は知事の要請すら「聞いてもいないでしょうから行くでしょうし、聞いた人でも、飲み会したい人は“じゃあ4人で行く”で終わりなんです。多分なんの効果もないと思う」と一蹴。
続けて、「たとえばニューヨークなんかも屋外(での飲食)は良いですよ、屋内はダメってやっていて合理的なんです」と人数よりも場所や環境が重要との見解を示し、吉村知事の要請は「この話に全く合理性はないです」と述べている。
「吉村知事はかねて経済活動の重要性を指摘しており、可能な限り外食産業へのダメージを最小限に留めながらコロナ対策を併行して進めていく考えがあります。また、玉川氏の指摘以前に、吉村知事本人も“5人”という数字には『科学的根拠はない』と認めつつ、一方で『府民に分かりやすく、明確な基準を作るのが政治の役割』だとも語っています。飲み会や外食を完全に禁止するのではなく、一つの基準を設けて経済とコロナ対策のバランスを考慮した結果の指針であり、『なんの効果もないと思う』という玉川氏の一蹴には疑問の声もありました。ネットでは『合理性はなくても数値でしっかり基準を定めるのは良いと思う。何も示さないより良い』『ただ文句を言うだけが仕事のコメンテーターにも合理性はない』『飲み会に行く側だけの捉え方で見て、“効果がない”とコメントするのは視野が狭い。店側に断る理由を作るという観点が抜けています』との指摘が相次ぎ、少しでもクラスターを減らそうとする知事へのエールの声も出ています」(週刊誌ライター)
本部会議後には「飲食店の方には申し訳ないとしか言いようがない。社会を動かしながら、感染を防ぎたい」と語った吉村知事。“奇策”と呼ばれようが、具体的な数字で対策の基準を示したことについては、一定の評価をされてしかるべきかもしれない。
(木村慎吾)