7月18日に亡くなった故・三浦春馬さんの著書を巡って大きな動きがあった。
三浦さんの雑誌連載をまとめた書籍「日本製」を発行するワニブックスが7月27日、同書を重版すると発表。するとアマゾンなどの通販サイトで注文が殺到し、29日付のAmazon売れ筋ランキングでは「日本製」がすべての書籍を通して1位になったのである。
さらに、ドキュメンタリー写真集が付属した「日本製+Documentary PHOTO BOOK 2019-2020」も同時に重版が決定。8月以降、順次書店の店頭に並ぶ予定だ。これにより、転売で荒稼ぎする“転売ヤー”たちが大打撃を受けているというのだ。
「フリマアプリのメルカリでは三浦さんが亡くなった直後から『日本製』の出品が激増。書籍は6000円前後、写真集付きは1万円程度と、定価の2倍ほどの相場で落札されていました。ところがワニブックスによる重版が発表された時点で動きが止まることに。背取りをもくろんでいた転売ヤーたちは、定価でさえ売りさばけなくなったことで不良在庫を抱えた形です。アマゾンでも一部の業者が写真集付きに3万円以上の値を付けていますが、こちらももう売れることはないでしょうね」(出版関係者)
メルカリでは「日本製」の出品に対し、ファンと思われる人たちから〈転売やめろ!〉といったコメントが殺到。なかにはあえて同書を高額出品しつつ、製品画像に〈重版決定!〉との文字を載せることで、転売ヤーからの出品に手を出さないように注意喚起するファンもいるようだ。
「ワニブックスが7月22日に『三浦さんの思いが詰まったこの作品を皆様に適正にお届けすべく手を尽くしてまいります』との声明を発表した際には、便乗商法との批判もありました。ところがふたを開けてみれば、多くのファンが重版された書籍を購入したわけであり、同社の対策は正解だったことが示された形です。また、売り上げの一部は認定NPO法人を通じて、三浦さんが生前に取り組んでいたチャリティの支援としてラオスの小児病院へ寄付するとのこと。版元が転売ヤー対策に迫られることは不本意でしょうが、今回の対策が成功したことには大きな意味がありますね」(前出・出版関係者)
亡くなった方の書籍を高額転売する行為は故人への冒涜にもなりかねない。その状況が放置されなかったことに、少しでも心のざわめきが落ち着いたファンも多いことだろう。
(白根麻子)