熊本地震を取材するテレビ局のスタッフが横暴な振る舞いで被災者の怒りを買っている。4月17日には関西テレビの中継車がガソリンスタンドにて給油待ちの列に割り込み、被災者からの抗議を無視して給油を強行。ツイッターで被災者が怒りの告発をしたことで明らかになると、同社は事実と認め、公式サイトにお詫び文を掲載するハメとなった。
一方で現地の被災者に迷惑を掛けつつも、いまだ堂々と取材を続けているスタッフもいる。毎日放送のアナウンサーは食料を持参しておらず、16日には「食料なかなか手に入りにくいです」とコメントしつつ弁当の画像をツイッターにて公開。被災者が数多くいる状況で食料を現地調達していることを明かし、同テレビ局員のアカウントには日本中から抗議が殺到している。
だがそんな抗議はまったく気にも留めていないようで、2日後の18日には「今日も被災地取材」とツイートする無神経ぶりを露呈。さらには毎日放送報道局やMBSニュースのツイッターでもこの件については一切触れず、局員の横暴な行動を放置している状況だ。
その毎日放送は、1995年の阪神・淡路大震災では当事者となった放送局だ。同震災後には「阪神大震災の被災者にラジオ放送は何ができたか」という書籍を緊急出版しているが、その副題は“「被災していない人への情報はいらない!」と言い続けた報道者たち”だったのである。現地で取材中のスタッフはあらためて、自分の局の本を読み直すべきではないだろうか。
(金田麻有)