昨年、タレントで元女子プロレスラーの北斗晶さんが乳がんを告白し、右乳房の全摘出手術を行ったのはまだ記憶に新しいところです。
命を守るためとはいえ、乳房を失ってしまうのは女性にとっては辛いこと。定期的な乳がん検診を受けるのは大切ですが、もしその時に癌が見つかってしまったらどうすればいいのでしょうか。
「実はスウェーデンのある研究チームが昨年、興味深い調査報告を発表しました。それは“コーヒーには、乳がんの進行を抑える可能性があり、分子レベルでもがん細胞の増殖を止める可能性がある”というものです」
そう話すのは医療系雑誌で記事を書くあるライター。
「コーヒーは、良くも悪くも体に対する影響が報告されていますが、今回の報告は1090人の乳がん患者のデータベースを解析したそう。さらに培養したがん細胞にコーヒーの成分を与えて、影響を観察した結果が発表されています」
すると、乳がん患者でコーヒーを1日に全く飲まないか、1杯程度飲む人と比べると、2杯以上飲む人のほうが乳がんの大きさが小さかったそうです。
「抗がん剤治療をしている患者さんのうち、1日に2杯以上飲む人は、0~1杯飲む人に比べて、早期の乳がんの再発リスクが49%少ないという結果も書かれています。また、がん細胞にコーヒー成分を与えた実験では、カフェインとコーヒー酸ががん細胞の増殖に関わる成分の生成を抑え、細胞自体の増殖を抑制することが観察されたそうです」(前出・医療ライター)
この作用には他の複雑なホルモンも関係していますが、コーヒーが乳がんの進行を抑える可能性があることがわかりました。乳がんの影に怯える人にとっては一筋の光明です。
ただし、あくまでも薬ではなく食品としてのコーヒーですから、これから研究が進んで、コーヒー成分から効果的な乳がん治療薬が開発されるのを期待したいですね。
そうすれば、乳がんで乳房を失う女性も、もっと減っていくことでしょう。