ビジネスの現場でも重要視されるようになってきた「観察力」。ものごとの表面的な部分だけでなく、深く考えて新しい気づきを得る力が求められています。
子どもたちの学びの場でも、観察日記を書いたり自由な探求を行ったりと、ものごとを深く観察する機会がよく設けられていますよね。では、家庭で子どもの観察力を鍛えるために、大人はどのようにサポートしていけばよいのでしょうか。
■テーマを広げたり疑問を投げかけたりして考える素材を渡す
例えば、トマトを栽培して観察日記をつけるとします。子どもがトマトの成長を楽しみにしていたら、茎や葉の様子を毎日追い、どこに実ができるか、実がどのようになるのかを注意深く観察するかもしれません。ここで「茎はどんどん伸びているけれど、根っこは変わらないのかな?」「実の色は変わったけれど、他の部分はどうかな?」などと視点を渡してあげることで、新しい気づきを得られることも。もちろん、実の観察による発見もとても重要なことですから、他の部分まで深く観察する余裕があるかどうかを見定めて声かけをすることが大切です。
■1つのテーマで行う観察を継続・比較する
1度の観察だけで全てが分かることはほとんどありません。1度観察して分かったことや新たに出てきた疑問は、2回、3回と繰り返し観察すると理解や発見が深まります。何度でも同じことが起こるのかを確認するだけでなく、条件を変えると結果が変わるのかなども観察してみると面白いですよ。
■子どもの小さな発見に耳を傾ける
「もっと深く観察して欲しい」と思ったら、まずは子どもが自ら見つけた発見を肯定するところからスタートしましょう。「すごいことを発見しちゃった!」とうれしくなれば興味が広がりやすいですし、「もっと面白いかもしれない」と思えれば観察意欲も高まります。「そんなんじゃダメだ、もっとよく考えなさい」という姿勢よりも、「もしかしたらもっと大発見ができるかも!」と、一緒に楽しむスタンスでかかわるのがオススメです。
子どもたちは観察をして新しい発見をすることが大好き。ぜひ童心に戻って一緒に発見を楽しんでくださいね。
(Nao Kiyota)