「大阪のお母さん」と呼ばれた喜劇女優・浪花千栄子の生涯をモデルにした杉咲花主演の朝ドラ「おちょやん」(NHK)。第15週の放送では、千代(杉咲)の父親・テルヲ(トータス松本)が留置場で生涯を閉じるという、なんともショッキングな結末を迎え、視聴者の間でも衝撃が走った。
ボロボロの姿で「これまでのことを謝りたい」と千代が世話になった芝居茶屋「岡安」に現れたテルヲ。千代はもちろん、周囲もそんなテルヲを断固拒否する。それでも千代と一平夫妻の家に押しかけるうちに、テルヲが病にかかっていることが発覚。そんな中、千代の劇団を取材に来たカメラマンたちを前に、テルヲと借金取りが殴り合いのケンカとなり、テルヲは留置場へ。
そんな彼の身元引受人となった千代は、「悔しいけど、あんたはうちのお父ちゃんや。身元引受人になったるから、早く病院に行って少しでも長生きして、うちの気持ちを変えさせてみい」と本心を吐露。テルヲも「上等や。やったろやないけ」と言い返すもののその後、留置場で息を引き取るのだった。
視聴者から「朝ドラ史上最悪の父親」と呼ばれ、バッシングされてきたテルヲ。しかし、意外にもその最期に対してネット上には「私はめっちゃテルヲロス確定です」「テルヲロス ずっと引きずりそうなくらい凄い演技だった」など、悲しみと演技に対する称賛の声が寄せられているのだ。
「破天荒なテルヲは、酒や博打で千代の人生を何度も振り回し、その度にネットを炎上させています。例えば、第4週の放送では8年ぶりにテルヲが千代の奉公先に登場。借金返済のために千代を別の悪質な店に売り飛ばそうとして大騒動。この時もテルヲのクズっぷりがネットでも叩かれました。こんなに炎上を起こしたキャラは、朝ドラ史上初めてではないでしょうか」(芸能ライター)
ネットを“炎上”させた上で“ロス”を引き起こさせる熱演ぶり。俳優としてトータス松本は、大きな爪痕を残したようだ。
(窪田史朗)