脳科学者の茂木健一郎氏が8月10日に自身のツイッターアカウントを更新し、東京・銀座を散策したことで非難を集める国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長について言及した。
目下、日本全国で新型コロナウイルスの感染者数が爆発的な増加を見せる“第5波”に喘ぐ中、バッハ会長は五輪閉幕翌日の9日、銀座の街を散策していたことが発覚。これには緊急事態宣言の発出により自粛の日々を過ごす東京都民を始め、多方面から非難の声が寄せられているが、茂木氏は過剰に問題視するべきではないとの考えを示した。
8月10日、「IOCのバッハ会長がオリンピックが終わったあと銀座を散歩するくらいいいじゃないかと思う。日本のことを良く知っていただいたり、宣伝にもなるし」と書き出した同氏。続けて、「こういうことにいちいち目くじら立てる方々、心が狭いです」とも綴っている。
茂木氏はさらに公式ブログ「脳科学者のひとりごと」の中でも、「バッハさんの銀座散歩に目くじらを立てている方々は、やはり行き過ぎだと思う」と改めて強調。「政府が自粛を求めて我慢しているのに、なぜバッハさんだけが、という書き込みが(ツイッターに)たくさんあったけど、銀座普通に人歩いてますよね?」「バッハさん、日本に来てから十分な時間が経っているし、銀座を歩いて悪い理由は何もないと思います。実際、多くの人が歩いているし。バッハさんだけを目の敵にする理由はなんでしょう?」などと、バッハ会長による“銀ブラ”を擁護した。
「確かに茂木氏の指摘するように、銀座の街を歩く人物はバッハ会長だけでなく、第5波が爆発的な感染者数となっているのも各地で人流の抑制が徹底されていないことも原因の一つかもしれません。しかし、五輪期間中は参加アスリートや各国のプレスなどの関係者は外出が一部制限されており、閉幕後とはいえ、なぜバッハ会長だけが特別待遇なのかと糾弾する声が大半です。ネットでも茂木氏の見解に対し、『心が広いとか狭いとかの問題なのか? 制限をひいた開催国やオリンピック選手、その関係者に対する敬意の問題だろう』『それだったら選手にも観光したい人はさせてあげたらよかったんじゃないですかね』『五輪の最高責任者として、選手関係者に行動の制約をしたのであれば、本人もその制約を遵守すべきではないのか。これは心が狭い、広いの問題ではない』『緊急事態宣言で皆が自粛ムードの中、堂々とぶらつかれたら批判もしたくなるだろ』などといった反論があがったほか、『また得意の逆張りですか』『どうみても目立ちたいだけの発言にしか聞こえない』とする指摘も寄せられました」(テレビ誌ライター)
なお、今回のバッハ会長の銀座散策については、丸川珠代五輪担当相による「まず14日間しっかりと防疫措置の中で過ごしていただいているかということは重要なポイントだと思います。加えて、不要不急であるかということは、これもしっかりご本人が判断すべきものであります」との擁護コメントも大きな物議を醸している。
バッハ会長は、開幕前から閉幕後に至るまで、終始そのお騒がせキャラにより悪目立ちしてしまった格好だといえるだろう。
(木村慎吾)