NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の視聴率が伸びない。前作「カムカムエヴリバディ」が好評だっただけに、物足りなく感じている連続テレビ小説ファンは少なくないだろう。
「ちむどんどん」は、NHKが沖縄本土復帰50年を記念して放送している意欲作。ヒロインに沖縄出身の黒島結菜を抜擢したのはもとより、母にも沖縄出身の女優・仲間由紀恵、姉には大河女優・川口春奈、妹に若者に人気の上白石萌歌と、豪華キャストをそろえた。語りも沖縄出身のジョン・カビラ、主題歌には沖縄出身の歌手・三浦大知を抜擢するなど、沖縄愛で盛り上げたいとの気概を感じるのだが‥‥。
「美しい海や、沖縄の言葉の独特なイントネーションはとてもいいのですが、ほかにこれといった惹きつけられるものを感じません。家族の絆や人の温かさ、郷土愛の強さなど、心を揺さぶられるものを、視聴者はもっと見たいのではないでしょうか」(芸能ライター)
ヒロインの暢子は食べることが大好きで料理人を目指すというストーリー。毎回、料理が出てくるのもこの作品の特徴だ。
「シークワーサーやチャンプルーなどは出てきますが、特別に新鮮さはないですよね。沖縄の食べ物の魅力はすでに広く知られており、そこで視聴者の気を惹きつけるのは難しいのかもしれません。好感度の高いキャストや、料理という万人受けする素材を使っていることを考えると、いささかもったいない気がします」(前出・芸能ライター)
ストーリー展開や演出もよくわからない。ヒロイン家族は多額の借金に苦しみ、口減らしのために、幼いきょうだいの1人を東京へ出さなければならない展開に。主人公の暢子が東京へ行くところだったが、「やっぱり行きたくない!」とアッサリ踏みとどまり、7年後の「今」の家族も借金を抱えたまま。さらに、竜星涼演じるダメ兄が、母親を通じて親戚から借金したうえに投資詐欺に遭う、という謎の展開となっている。
「そもそも、借金まみれの家族に、親戚とはいえ担保もなく誰が投資のためにお金貸すのでしょうか。しかも、兄はヤケ酒を飲んで店で暴れ、傷害事件まで起こしてしまう。どう考えても笑えない状況なのに、バックにポップな音楽が流れ、ダメ兄は本気で反省した様子もなく、風呂釜で体育座りして隠れている。アッケにとられるばかりで、感情移入ができませんでした。
救いは今後、上京した暢子が幼なじみの東京からの転校生・和彦と再会すること。連続テレビ小説を見ているメインは女性視聴者ですからね。女性にとって魅力的なイケメンが活躍してくれないと、見る甲斐がありません。和彦を宮沢氷魚が演じるので、そこに期待したいですね」(ドラマウォッチャー)
ドラマはまだ始まったばかり。ここからの展開に期待したい。