11月28日に敗血症のため死去した渡辺徹さん。61歳という若さで旅立ったことに悲しみと驚きの声があがっている。
渡辺さんが所属していた文学座によると、11月20日に発熱、腹痛などの体調不良を訴え、都内の病院で細菌性胃腸炎と診断され入院。その後、敗血症と診断され治療を受けていたが、回復しなかったという。入院する前日の11月19日には、秋田大の「心臓病とともに元気に生きる」というテーマの医療フォーラムのゲストに招かれ対談。これが最後の仕事となった。
渡辺さんは30歳の時に糖尿病を発症。糖尿病を起因とする慢性腎不全のため人工透析を受けるように。51歳だった2012年には虚血性心疾患のため6時間にも及ぶ手術を受け、翌1013年には膵炎で入院。昨年4月にも大動脈弁狭窄の手術を受けリハビリを続けていた。役者としては、10月、11月に東京、大阪で上演されたA.B.C-Zの戸塚祥太主演の舞台「今度は愛妻家 THIS TIME IT’S REAL」が最後となった。
渡辺さんがこの舞台で演じたのは、還暦を過ぎたジェンダーレスの男性の原文太役。舞台発表時の取材会ではほっそりした姿だったことから、役作りのためにやせたのかと質問されると「これまでも役によって太ったり、また太ったり、太ったり」とその場にいた人々を笑わせるひと幕もあった。
「振り返れば声のかすれもあり、体調は万全ではなかったのかもしれません。もっと役者としての渡辺さんを見たかったし、渡辺さんご自身ももっと役者としていろいろなキャラクターとして生きたかったことでしょう」(女性誌記者)
“役者”を貫いた生涯だったと言えよう。