一般販売されていないスキンケア製品にも関わらず、国内外の有名女性誌で数々の賞を受賞するなど、いま注目のメディカルコスメを手掛けている女性社長がいます。それは、MTコスメティクス代表取締役の板橋理恵さん。彼女が成功した秘訣とは?
板橋さんは大学卒業後、大手旅行代理店にて北米ツアーの企画業務に携わる傍ら、アメリカの流通やサプリメントストアで販売されている先進成分のサプリメントに興味を抱き、プライベートで通い詰めたハワイのサプリメント専門店をM&Aして事業を始め、成功を収めました。
その後、2005年に日本法人を設立。ドクターズコスメブームの最中、美容医療さながらのメディカルスキンケアを手掛け、数多くの美容のプロたちから支持を集めて一躍先駆者となりました。現在では、国内約5,000軒の大手中堅美容クリニック・エステなどへの導入実績がある他、中国をはじめ世界中に展開するまでに。
板橋さんは会社を設立した2005年当時のことを次のように振り返ります。
「テクスチャーや香りに重点を置いていた化粧品が多く流通している中で、アメリカでは改善型のドクターズコスメというアイテムが市場に登場するなど、大きな時代の変化がありました。そうした流れを受け、私どもは美容医療ドクターの目線に立ち、施術後のお客様のお肌ケアに適う処方を追求し、美容医療プロフェッショナル向けブランドの位置付けで会社を設立しました」
なぜ成果の出るスキンケアを開発できたのでしょうか?
「気質もお肌もきめ細やかな日本人としての目線を大切に、世界の学術論文と向き合い、効果ある成分、濃度、配合比率などを丹念に調査し、自社研究室で処方するといった試行錯誤を何十回と繰り返してまいりました。そうしたモニター治験などを通して、“お肌への安全性と結果が両立するものだけ“を発売してきたからだと感じております。そういう意味では凝り性、いってみればオタク気質なのだと思います」
同社を代表するスキンケアブランド「MTメタトロン」の製品は、美容医療の施術後のホームスキンケアとして、施術効果の維持やレーザー治療などの施術後の肌ダメージ軽減、回復促進などの効果が期待されるものです。
「美容医療と相性のよい製品設計を約18年追求しています。お肌悩みに寄り添えるよう、製品処方は常にアップデートしていますが、ブランドを通じて一貫するコンセプトは変わらず『お肌の改善結果が出る』こと。これをお客様と結ぶ“お約束”として常に意識しています」
先見の明とグローバル性、そして“オタク気質”と顧客との約束を守り続ける堅実さ。女性社長が輝く要素としては充分といえそうです。成功したい女性にとって、この事例はとても参考になるのではないでしょうか。