ビデオリサーチは2月15日、2022年の「タレント別テレビCM起用社数ランキング」を発表し、女優の川口春奈が初のCM女王に輝いた。
前年16社だった川口はさらに5社を加え、21社で首位を獲得。「サントリー」「はま寿司」「JCB」「ライオン」などの大手企業CMに次々と出演し、女優の今田美桜と本田翼(ともに20社)の猛追を振り切った。
川口の快進撃が始まったのは、2020年1月期放送のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」での見事なピンチヒッターとしての働きぶりがキッカケだ。当初、同作では沢尻エリカが帰蝶役で出演し、すでに撮影がスタートしていたが、不祥事が発覚したことで川口が代打を担当。大河初出演ながら見事に演じ切り、その評価を高めた。
その後は公式YouTubeチャンネル「はーちゃんねる」を立ち上げ、実家へ帰省する様子や、モーニングルーティン、「リアル1人ラーメン」、さらには風呂場で洗髪する動画など、人気女優とは思えない等身大な姿を配信。多いものでは900万回再生を超えるメガヒットを記録するなどし、チャンネル登録者は約180万人にも達している。
インスタグラムにも430万人ものフォロワーを抱えるなど、とにかく若い層から絶大な支持を受ける川口。そうした中、22年はとにかく“バズりまくった”代表作が生まれ、これが初のCM女王につながったと見る向きも。
「昨秋に放送開始したフジテレビ系ドラマ『silent』では、聴覚障害を患った男性と恋に落ちる青羽紬役を好演し、繊細な胸の内を手話で表現する様子が大きな話題に。最終話の視聴率は9.3%を超えるトレンドとなり、全11話の見逃し配信の累計再生数も6000万回を超えています。長く“低視聴率女優”とのレッテルを貼られてきた川口にとってはターニングポイントとなる名作で、現在でも撮影に使われたカフェや駅、CDショップなどはファンの聖地となるほどの大反響です」(テレビ誌ライター)
あまりの多忙ぶりからか、月に4~5本はアップしていたYouTubeチャンネルの更新が、2カ月に1回程度とペースダウン。しかし、CMでは快進撃が続いており、今後はさらなるヒットドラマの出演にも期待したいところだ。
(木村慎吾)