歌姫と呼ばれ、2000年代初期に大ブームを巻き起こしたのは、歌手の浜崎あゆみだ。
お人形のような可愛らしいルックスにハイトーンボイスの美しい歌声、歌番組で見せるちょっと天然なキャラクターは平成のギャルたちを大いに魅了した。
若者世代で彼女を知らない人はおらず、動物のしっぽの形をしたチャームやヒョウ柄のコート、国旗柄のトップスなど、その奇抜なファッションをマネする女性が街中に溢れていた。
そんな浜崎がデビュー25周年を迎え、4月8日からファッションビル・渋谷109とのコラボキャンペーンを開催するそうだ。
地下一階ではポップアップが開催され、人気アパレルショップではオリジナルコラボグッズも販売。ヒョウ柄のワンピースを着てハーフツインテールにしたキャンペーンのビジュアルは、全盛期の「あゆ」を彷彿とさせる。
しかし、同イベントについてアパレル関係者がこう耳打ちする。
「実は、渋谷109は2001年頃浜崎あゆみさんプロデュースのブランド『マテリアルガール』が大ヒットした、ゆかりのある場所なんです。彼女がテレビでそのブランドの服を着ていたこともあり、当時は入場制限がかかるほどの人気店でした。しかし、今の109は『ぴえん系』の可愛らしいファッションアイテムが多くなり、ヒョウ柄やダメージデニムのミニ丈スカートといったいわゆるギャル系ブランドはほぼ消滅しています。また、当時のあゆファンの女性は、今や40~50代が多いため、若者がひしめく渋谷109のショップには入りづらいことが予想されるため、客が殺到するとは思えません。今の10代の女性に浜崎あゆみと言っても『誰?』状態なので、いったい、どの層をターゲットにした戦略なのでしょうか…」
3月29日には、6年ぶりにバラエティ番組に出演し、その容姿の変化が話題となった浜崎。かつてのカリスマギャルは、今の若者に受け入れられるのかを見守りたい。
(佐藤ちひろ)