よもやこんなミスが見つかるとは、驚いた視聴者もいたようだ。
5月19日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第41回では、漁船員からスーパー店員に転職した忠兵衛(蟹江敬三)が、慣れない仕事に困惑する姿が描かれた。
研修中の忠兵衛は鮮魚売り場を担当しており、この日は消費期限の近づいた刺身に割引シールを貼る仕事を担当。しかしマグロ漁船員として魚への強いこだわりを持つことから「この赤身、半額にしたら漁師が泣ぐって!」と主張し、主任を困らせていたのだった。
結局、マグロ漁船に戻りたい忠兵衛はスーパーを辞めることになり、妻の夏(宮本信子)も困り顔だ。そんな天野家の人間模様が描かれるなか、スーパーでのとあるシーンに疑問の声があがっていたというのである。
「忠兵衛が半額シールを貼った刺身には『加工日時 09.1.26 消費期限 09.1.27』と書いてありました。しかし作中の時代設定は2008年11月であり、よもやの設定ミスが発覚していたのです」(テレビ誌ライター)
天野家に飾られているカレンダー、そしてスーパーの休憩室に張られていたカレンダーはいずれも11月となっており、作中が2008年11月であることは明らか。一方で忠兵衛が朝釣りするシーンでは背後の山々がうっすらと雪化粧となっており、岩手・北三陸では早くも冬が訪れていることを実感させていた。
それゆえ、カレンダーさえ見なければ刺身の加工日が2009年1月であっても違和感は抱かないところ。ただヒロインのアキは高2の2学期に普通科から潜水土木科に編入し、まだ冬休みは迎えていない時期だ。そもそも年末年始の様子も描かれておらず、まだ年を越していないのは明らかだろう。
「この『あまちゃん』では作中の日付に何かしらの意味を持たせているシーンも多く、本放送当時も視聴者はいまがいつなのかを意識しながら観ていました。それゆえ今回のような日付のミスは本作においてレア中のレアであり、むしろ《何かしらの設定変更があったのでは?》と気になってしまうところでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
11月は通常、マグロ漁船にとってシーズン真っ最中であり、忠兵衛のような漁船員が日本に戻ってくるのは年が明けてからだ。それゆえ当初の設定では忠兵衛がスーパーで働き始めたのは1月だったのかもしれない。そんな想像を膨らませる視聴者もいたことだろう。