【らんまん】17歳の寿恵子に酒を飲ませた!朝ドラが描いた未成年飲酒は問題ありか、なしなのか

 その場面に「えっ!」「ウソでしょ?」と驚いた視聴者も少なくなかったようだ。

 6月22日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第59回では、主人公の万太郎(神木隆之介)が結婚相手の寿恵子(浜辺美波)を連れて高知・佐川に帰郷。実家の造り酒屋では仕込みが終わったことを祝う甑倒しの宴会が行われていた。

 女当主の綾(佐久間由衣)は、番頭の息子・竹雄(志尊淳)となにやら良さげな雰囲気に。酔いが醒めたと宴席に戻った綾が「酒ぇ! 峰乃月持ってきいやぁ!」と叫ぶと一堂は盛り上がり、寿恵子が綾のもとに酒を運んでいった。その時、事件が起きたというのである。

「寿恵子が酒を注ぐと、綾は『お寿恵ちゃんもどうぞ』と返杯。寿恵子は『いいんですか?』と言いつつ盃に口をつけ、『う~ん、美味しい』とにっこりです。その場面に視聴者からは、NHKが未成年飲酒を肯定的に描いたと、驚きと批判の声があがっていました」(テレビ誌ライター)

 万太郎との結婚に際して寿恵子が提出した釣書には、慶應元年(1865年)生まれの17歳であることが明記。すなわち甑倒しの場面では、17歳の少女が飲酒するシーンを描いていたことになる。

 ドラマで未成年飲酒や喫煙が描かれることは珍しくないものの、それは不良を表す記号であることが多く、あえて法律違反を犯している場面だ。それに対して今回は、酒を飲ませた綾が「そうじゃろう? これがうちの峰乃月」と胸を張っており、酒屋の当主として自信満々だったのは明らかだった。

 しかし、いくら酒蔵が舞台の朝ドラとはいえ、堂々と法律違反を描くのは問題ではないのだろうか?

「実はこの場面、決して法律違反ではないのです。というのも『未成年者飲酒禁止法』が制定されたのは大正11年(1922年)のことで、作中の明治時代に未成年の飲酒は禁じられていませんでした。それどころか風習の一つとして当然視されていたというのが実情です」(前出・テレビ誌ライター)

 未成年の飲酒を禁止する法案は明治33年(1900年)ごろから上程されては、否決されるという歴史を繰り返してきた。当時の日本では働き手として一人前となる15歳ごろから飲酒することは珍しくなかったのである。

 法律を審議する過程でも、冠婚葬祭やお祭りといった場合は例外にするという項目が真剣に検討されるなど、未成年の飲酒に関しては現在よりはるかに寛容だった。つまり今回の飲酒シーンは、作中の明治17年(1884年)前後の世相を正しく反映していたのである。

 明治時代を描く本作において、時代考証は欠かしてはならない要素の一つ。本来ならNHK側が間違うはずもないのだが、史上最悪の問題作と言われた前々作の「ちむどんどん」では昭和30年代の沖縄に自衛隊がいたという新聞記事が登場するなど、視聴者も呆れ果てていたもの。どうやら「ちむどんどんの呪い」は、まだ視聴者の脳裏にこびりついているのかもしれない。

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