7月12日に急逝したタレントのryuchellさん(享年27歳)を巡って、千葉県松戸市の市会議員に対する猛批判が沸き起こっている。
松戸市議の増田かおる氏は同日、「れいちぇるが自らこの世を去ったそうです」とツイート。「本当に苦しかったんでしょうね…」と“れいちぇる氏”への想いを馳せたうえで、「トランスへの差別や偏見からくる誹謗中傷が高まる中、今後の社会的影響が非常に心配です」と、第三者の訃報を自らの政治的主張に利用していた。
その“れいちぇる”とはいったい誰のことなのか。ツイッターでは「れいちぇる」がトレンド入りしたほか、ネット上では存命中のレイチェルさんや、すでに鬼籍入りしたレイチェルさんに関しての報告も続出。故人を呼び捨てにするという失礼な物言いに対してもクレームが噴出していた。
ryuchellさんの名前を間違えたのではとの推測も多かったが、いくら何でもryuchellさんほど著名な人物の訃報が伝えられた直後に名前を間違えるなど、常識的に考えてもありえないのは明らか。呼び捨てにしていたこともあって、増田市議にとって近しい“れいちぇるさん”が亡くなったのではないかとの声もあったのだが…。
当の増田市議は翌7月13日の午前11時過ぎ、「お名前を間違えて書いてしまい、本当に申し訳ありませんでした」とツイート。ryuchellさんの名前を間違えていたことを自ら明かした。
人間は誰しも間違えることがあるとはいえ、市会議員という公職にある人物が、こともあろうに亡くなったばかりの著名人の名前を間違えるなど、ミスという言葉で済まされるはずもないのは明らかだろう。しかもryuchellさんについて言及したのであれば、故人を呼び捨てにした理由も明らかにすべきではないか。
増田市議は「正式な謝罪文は後ほど公表します」ともツイートしていたが、果たしてどんな謝罪をするのか。その内容いかんによっては、訃報の政治的利用だとさらなる批判が再燃する恐れもありそうだ。